まだ、開始時間までちょっと時間があったので三人で天神のドトールコーヒーでカフェをすることに。明人の行きつけのドトールだ。そこのドトールは商店街の中にあって、結構広い。分煙もされているから居心地も良く、タバコは吸わないので当然禁煙席に座る。
リュウさんが口を開く。
「ところで、あっきー。帯状疱疹はどうなの?大丈夫?フェイスブックの記事読んですごく心配やったとやん」
「私も明人君の記事読んでめっちゃ心配だったんよ。首大丈夫なの?」
リュウさんと華耶が心配してくれている。いつもお世話になっていて、ハート・クリーンに引き込んでくれたからこそ、そしてそのハート・クリーンがなければ出会わなかったからこそリュウさんは信頼していたし、安心できると思った。そして華耶も、自分の趣味のゲームや音楽の話が合うし、アニメや漫画も好きなものが似ているだけでなく、華耶自身も、明人を常に心配していたし、明人がフェイスブックで落ち込んでいた時も真っ先に心配してくれていたからこそ、華耶も信頼できると思って、明人は思い切って告白した。自分の抱えているものを。
「帯状疱疹は、もう大丈夫です。点滴や一週間連続で受けた注射は痛かったですけどね」
「確か、あっきー注射苦手だったよね」
「どうでもいいけど、明人君犬も苦手やったよね」
「注射は、自分は先端恐怖症も持っていますから。犬は襲うから怖い。そしてもう一つ大きな原因があったんです。ハート・クリーンに引き込んでくれたのもリュウさんですし、華耶ちゃんは俺の話につき合ってくれたり、色々心配してくれたり。だからこそ、自分のこともっと知ってもらいたい」
「おー。あっきー。普段真面目なあっきーがさらに真面目に」
思わず涙する明人。そして涙ながらに告白した。
「自分、最近分かったんですけど、発達障害のアスペルガー症候群だったんです。聞いたことあるかもしれないですけど、自閉症によく似た発達障害で、治療法はありません。主に、自分の嗜好に偏りがあって、コミュニケーションする力がすごく弱くて、たまに話が通じてなかったり、自己中だとか空気が読めないなどと誤解されて、もう絡みたくないという人まで出してしまうこともあったんです。ただ、自閉症と違うのは、人と直接話すことは苦手だけど、メールやチャットでのコミュニケーションは不思議とコミュニケーションできるんですよ。でもやっぱり、それと同じようにコミュニケーションしたいけど、やっぱりできなくて、そして、強制的に押し付けられるような感じでしろと言われてもできなくて、それがすごく悔しいんです。障害を持ってるからと言い訳なんてしたくないのに、そう取られてしまったり。すごく悔しいんです」
華耶は思わずもらい泣きしていた。
「すごい辛かったんやね」
リュウさんも言う。
「あっきー。すごく今まで辛かっただろうし、これからもそのハンデを背負って生きていかないといけない分さらにその辛さは大きいものやというのはすごい伝わってくる。でもな。悔しくても、あっきーは男だろ。男がこんな場所で涙していいわけがないよ。泣くときは、もっと大きなことをしてから泣けよ。もちろん犯罪はダメだけど。それに、あっきーは、なんだかんだでいろんな人がついているし、あっきーのことちゃんと見てくれている人もいる。だから大丈夫」
リュウさんはハンカチを取り出し、明人に渡してこう言った。
「さぁ。涙をまず拭いて、ダンスパフォーマンスで観客を驚かせなよ。そこからだ。そして次に定期清掃活動で、あっきーのいいところ全開で進むんだ。俺も華耶ちゃんも知ってるんだよ?あっきーはめっちゃ優しいいい奴だって」
「私も、明人君のこと、障害のことも踏まえ、もっと知っていきたい」
「リュウさん。華耶ちゃん。ありがとう!」
こうして、定期活動が始まり、ダンスパフォーマンスが早速始まった。