祐介の話を聞いて一同は愕然。


「そうやったんだ。」


「あの人たちって、俗に言う障害者みたいなものなの??」


小夜子の障害者発言に祐介は言った。


「小夜子。そういうこと言っちゃダメ。彼らも同じ普通の人間なんだ。人間をそういう風に勝手な線引きしちゃダメやけん。」


「あ、ごめん。」


「でも、小夜子みたいになる人のほうが多いというか・・・・・・なんともはやそうなって簡単に言うと気づきもしない、見向きもしない人間のほうが多数なんだよな。世の中ってそこが残酷なとこなんだよね。あいつみたいに、心が子供のままの大人でも時間は待っててくれない。就職支援センターで見てきた彼らは、深く荒れた海の中を頑張って泳ごうとして水圧に耐えられず溺れてしまった人たちみたいなもんだ。俺もその一人やったし、ボランティアでもそういうとこあるでしょ??人とコミュニケーションとりたいなら自分でがんばって動け的な??それが出来たらよく頑張ったと称えられるみたいな。そのアクションが彼らには出来ないんだよ。だって、社会で大ダメージを受けて引きこもりなどに近いダメージを受けてしまった人たちなんだよ。俺は、心療内科に通院してカウンセリング受けてそれで何とかパズルをワンピースずつはめてるような感じなんだけど、それすらも出来ない人たちなんだ。それなのに世の中は、彼らにとって高い壁とか、ハードルみたいな見えない要求を出してくる。しかもいくつもいくつも。彼らに耐え切れると思う??その要望に答えられると思う??結論から言って不可能なんだ。世の中をバイブルどおりに動こうとしているところもあるからね。俺のように。それでも、周囲はそんな事態に気づかない、見向かない、振り向かない。でも、なんかできることはあるはずなんだ。健常者である自分たちであるし、彼らも同じ健常者だからね。つまりは、彼らと同じ目線でコミュニケーションをとりながら、彼らを一緒に徐々にステップアップを図っていかないといけないんだ。それが人として生きるための大きな課題でもあると思うな。少なくともね。」


「確かにな。世の中は酷い。祐介君の話聞いてたらすごい残酷すぎる世の中なんだと気づかされた気がするわ俺。」


「ホントそうよね。祐介君の言うとおり、わたしたちも同じ人として出来ることがあるはず。」


「うん。そうやね。わたし、今度ボランティアに来たら、その就職支援センターの人たちとも話してみたい。なんか話すネタとか作らないとな。」


「小夜子。話すネタなんてどうでもいい。自然に会話してみようや。多分彼らも、ちゃんとコミュニケーションとってくれると思うけん。」


こうして、祐介を中心に彼らを見えない壁から救い出そう、感じてる壁をぶち壊そうというプロジェクトが始まるのだった。


(RING・改、Fin)


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