平成二十五年、三月のある週。


祐介は久しぶりに毎週夜にあるボランティアに参加した。


その時祐介は、とある会社から、抜擢というか俗に言う引き抜きをされて、四月の中頃から、その会社に行くことが決まった。


それを知って沖内や幸助、あかねはちょっと残念そうにしていたけど、まず祐介に理不尽な扱いをしないようなしっかりとしたところでかつ、優しい会社だったといったところと、祐介の現職場の最高責任者と仲良くなり、年末など人が足りない時は積極的に協力するなどの協定が結ばれた。


実に祐介の力だった。その祐介の見えない才能が開花し、それが認められた形だ。


付き合い始めてまだ間もない小夜子も、「頑張って!!」と励ますぐらいだ。


小夜子も本当は祐介の行くボランティアに行き、祐介とよく絡む人たちにあいさつをしようと考えていたのだったが、あいにく、仕事で時間が合わずに、ようやくその日を迎えていたのだ。


加奈は新年になってから頻繁に祐介の行くボランティアに参加し、宏や弘毅、香奈枝と打ち解けていただけに、小夜子も話がしてみたかったのだ。


加奈と二人で来た小夜子。


ボランティアのチームリーダーに歓迎される。


「あー!!まさか小夜子ちゃんですよね!!直接会うのは初めてですね!!ごうちゃんの彼女ですよね!!ホントにお付き合いされてるんですねー。フェードノートでも楽しそうでしたし。」


「そういえば、ここの人たちさよと会うのは初めてやったよね。フェードノートで情報を知ってるくらいやったしね。」


「そうなんですよー。小夜子ちゃんと直接会うのは今日が初めてです!!」


「よろしくね!!」


といった形ですぐにうちとけた小夜子。


さらに歓迎される。


「あ!!小夜子ちゃんだよね!!私も会うの初めてやし!!」


香奈枝がやってきた。どうやら仕事終わりに来たようだ。小夜子も同じだけど。


ボランティアが始まりかけて、祐介もやってきた。


「久々間に合ったー!!」


「あー、お疲れ様ですー!!そして久しぶりですね!!」


「疲れたぁー、そして明日休みー!!」


「よかったねー、さよ!!休みかぶったやん!!」


「うん、本人から昨日から聞いとったけん!!」


同じように声をかけるものがやってくる。


「あ、郷田さんだ!!郷田さーん!!久しぶりですねー。さぁ、早く情報・・・・・・」


祐介がお世話になっていた就職支援センターで知り合った子だったんだけど、「情報を・・・・・・」といったところで、別の人からさえぎられる。


「空気読んであげりー??」


「何で空気を読まないといけないんですか??」


「いつも思いよることなんやけど、郷田君が別の人と話しよるときに必ず君は割り込んでくるよね。そういうの、いかんと思うよ。」


そう。祐介は、いつも夜のボランティアに参加すると就職支援センター関係の人から別の人と話しているときに割って入られたり、毎回毎回アニメやゲームの情報をメインに情報をねだってくる人もいるくらいで、別の人と話すチャンスを奪われていたのだ。


彼らは自己満で祐介が来たら祐介と必ず話すと決め込んでいたのだった。


そしてそんな彼らは純粋なボランティア関係の人や新しく来た社会人や学生とは全く話そうとしない。


そしてそのさっきの介入が、些細な事件につながることを知らずに。


(後編)に続く。


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