仕事も慣れ始め・・・・・・
やがて6月の通院日を迎えた延彦。
そのとき、診察の後、医者からこんなものを受け取り一緒に読むことに。
そう。延彦の家族と就職支援センターの延彦担当の職員連名で書かれていた手紙が、郵送で延彦の行っている病院に送られてきたのだ。
内容はこういうものだった。
「もう、何も言わないし、束縛も基本しないから戻ってきて欲しい。」という内容ももちろんあったけれども・・・・・・
何より驚いたのは、親や親戚からの真剣な謝罪の内容が書かれていたのだった。
その枚数は、便箋4~5枚にものぼった。
それだけでなく、延彦を束縛することになった理由も書かれていたし、その理由の中で、延彦は親から隠されてた事実を知る。
手紙の内容で判明したのだけれども、延彦はうつ病だけでなく、幼少時から「学習障害」という軽い発達障害を持っていたのだった。
発達障害はその人の個性、性格でもあるため治るものではなく、治療方法がなかった。
そのため対策として、厳しいしつけ、締め上げ、そして束縛しなきゃいけなかったという理由が書かれてあった。
そんな理由が書かれてあっても、医者の一言が延彦を楽にさせる。
「発達障害は治るものではないのは事実です。でも、だからと言って、そういったことを幼少時からやっていたのは不適切だ。それは立派な過剰行為だ。」
延彦はそのことを知って呆然としたが、受け止めることもたやすかった。
もう1つの内容は、就職支援センターの担当職員から、「今後のことについて会って話がしたい、ぜひ来てくれ。」といったものだったが・・・・・・
これも医師が一蹴した。
「これは、無視して構いません。あなたはだって今働いてるじゃないですか。仕事を優先なさい。また間違った道を示されてもそれはあなたを苦しめるだけだ。」
と。
いろんな事実を知った延彦は頭の中がぐちゃぐちゃになった。
しかしそれでも頑張って仕事を続けていた。
そして、会社である催しが行われることに。
その催しが、さらに延彦の運命を加速させることを知らずに。
(28)に続く。
