ワイン好きなふたりだが、
僕がワイン好きになったのはここ最近のこと。彼女と付き合う前は、
ワインはおろか、お酒にすら興味があんまりなかった。
たまにお酒を飲むときにも、
いつもビールばかり飲んでいた。
そんな僕がワインに夢中になったのは
彼女と出会ってからである。
ちょうど1年前のこと。
彼女が僕の誕生日に連れていってくれたレストランで、
オーダーしたワインを飲んでそこからワインの虜になった。
代官山にあるレストラン。
メゾンポールポキューズ。
ヒラマツグループの高級フレンチだ。
僕たちはフレンチのランチコースを注文した。
するとテーブル横にソムリエが現れた。
胸のポケットにソムリエバッチがキラリと光っている。
「お食事にあわせ、ワインはいかがですか?」
彼女「たまにはワインをいただきましょうよ。私は白ワインにするわ。」
特別な日でもあったので、
勧められるままに赤ワインをオーダーした。
ソムリエは奥からワインボトルを持ってきて、
僕らたちのワイングラスにそれを注いだ。

「こちらはローヌの赤ワインでございます。クード・レ・ボーガステルというワインです。お食事にあわせお持ちして参りました。」
僕は慣れない手つきままグラスを持ち、
その赤い液体を口に含んだ。
まろやかで、カシス・ベリーの味わいがした。
アロマの香りに、うっとりした。
鴨のロースト料理にとても良く合った。
ワインを飲み、深く感銘を受けたのは、それが初めてだった。
いま思えば、その経験が、
彼女がくれたパースデープレゼントだったのかもしれない。
