第3回 昭和63年6月10日(金) 能古かもめ

能古島  TEL881-2787
主人 久保田 正治氏
メニュー 能古島の地魚料理(和食)

出席
山田 嶋田 安田 桑原 宮崎

6月某日 嶋田氏が大森氏を訪ね、かもめでの打合せと称して某焼鳥屋に行く。
この焼鳥屋は昔は客が来ると鳥をしめに行ってたという風情のある焼鳥屋である。
うまかった。ここにいく道すがら思いついたコマンダリーの会則を大森氏に相談する。
4箇条の簡単な会則で、後に宮崎氏の作った会則に取って代わられることとなるが、
現在の会則の原形がここにあるため、後世のためにここにこれを記しておく。

1.我々は食べることと、飲むこと、これを通じて語らうことをこよなく愛します。
2.我々は、フランス料理、懐石料理、中華料理からそば屋、焼鳥、もつ鍋まであらゆる食べ物屋さんに無差別に出撃します。
3.我々は、食の楽しみを通じて、福岡の国際化とお店屋さんの発展に楽しく寄与します。
4.支払いは自腹をもって旨とします。

嶋田氏の会則案に対して、宮崎氏1週間寝ずに考えた末、次の案を引っさげて堂々と能古島に乗り込む。

 異論ワインコマンダリー会則(案)

1.我々はあらゆる食べ物屋さんに無差別に出撃し、そのメニューにあったワインを☆選定する騎士団である。
2.我々は個々の舌を★尊重し独断や偏見を享受しこれを通して大いに語らうことを最大の目的とする。
3.我々の選定はワインにとらわれずあらゆる飲み物において☆行なわれる。
4.爆撃を受けたお店はコマンドショップの称号が☆与えられる。コマンドショップの称号は未来永劫我々のステータスとして★語り継がれる。
5.なお、1934年に設立されたフランスのタストヴァンの騎士とは何ら関係がない。お付き合いもない。
6.お勘定は★割り勘である。
7.☆には『勝手に』を、また★には『必ず』を代入しなさい。
8.補則 我々は女性会員を★☆こよなく愛します。
9.新会員には面接があり★容姿端麗が問われる。

9時の最終渡船も行ってしまい、どうせ後で漁船を頼めばいいと長居を決め込む。
発泡スチロールのトロ箱に氷水と冷やした十数本のワインは5名の精鋭コマンド戦士の活躍で、すべて飲み干され、トロ箱の中でひっくり返ってプカプカ浮いていた。
桑原氏叱責さる。
桑原氏の講釈はいつもとおりの名調子であったが、その話題が、かもめさんのことに及ぶやその料理について、やれ味がどうの、盛付が田舎臭いなどの批判になっていった。
食事の内容は悪くなかっただけに、また我々を迎えてくれたホスピタリティーを考えても、その言い方はないよと山田氏におおいに叱責されるのであった。いつもの桑原氏には珍しくその後はしゅんとしていた。その桑原氏は8月NHK東京に転勤になってその博学に裏打ちされた講釈と毒舌を聞けないと皆寂しがっている。

(嶋田氏1988/12投稿より)