プライベートルームで行われたそのディナーティスティングが、(乾杯はサロン96)トカイフルミントマンデュラス、バルブエナ2010をはじめ、ウニコ2010、2007、1996、1989、1970、1964、1953のラインナップ。とくに53年は初めて頂くヴィンテージなので興味深かった。
「ウニコ」
スペインの高級ワインの一つでワイン愛好家の間ではとても知名度の高いワインであるが、フランスなどのそれに比べ、口にした事のある方は少ないように思える。
パブロ氏曰く、ウニコは男性的と女性的に分かれる。この日のティスティングアイテムの中では96年が男性的と仰っていたが、確かにそう感じた。96ヴィンテージは生産地であるリベラデルドゥエロは比較的熱かった年で、相対的にボリュームが高め(まだ若いというせいもあるだろう)。最初にこのヴィンテージを口にしたのが、2007にベガシシリアのワイナリーでリリースしたての96年を試飲させてもらった時。
それまで若いウニコはきめ細かい酸がピシッとしていて鋼鉄のイメージが強かったのだが、かなり果実味のボリューム感が印象強くすでに「丸み」が感じられた。かなり完熟したテンプラニーリョなのだろうと思うのと同時に、この頃(正式には98年ヴィンテージから総指揮だそうだが)若き醸造責任者のハビエル・アウサス氏の新しいスタイルなのかと考えさせられた記憶が甦る。
樽とやや枯れた果実感をすでに見せはじめ、まだ活き活きとした上品なテンプラニーリョの上品な甘み、深いコクと赤土を思わせる香りをかすかに感じさせる、熟成させたボルドーグランヴァンに通じる味わい。ウニコスタイルをすでに見せつけ始めている。パブロ氏と幾度もティスティングをご一緒させてもらったが、骨格のしっかりとした味わいのものを男性的と表現しているようだ。
ただ女性的なものはもっと柔らかく繊細なものとなり、これはやはり歳月が生み出す賜物となる。
よくスペインワインは「男性的」なイメージをお持ちの方も多いが、私にとっては決してそんなことは無く、確かに豊富な日照量は時にブドウの糖度を過度に上げてしまい、アルコールが高いワインを生み出すことも少なくないが、その中に潜んだ酸により熟成されたワインはとても繊細で、華やかなスタイルへと変貌する。
熟成されたウニコの魅力はそこにある。

