最近、テレビジャパンで東部時間朝9時から20分間やっているNHK「クローズアップ現代」をよく見る。

数日前に見たのは「稼げる大人に。過熱する受験戦争」という話。(リンクを最後に貼っておきました)

中学受験をして、良い私立中学に入って、そのまま良い高校、大学、良い就職先にという親心。
まずは中学受験に専念しやすいよう、塾が近くて、同じような考えを持つ親が多く、教育熱心な公立小学校の学区域に引っ越しをする。
その時に、活用するデータのひとつが引っ越し先の地域住民の平均世帯収入。
当然、収入が高い両親は、塾や私立校受験など子どもにかけられる費用が高くなり、そういう子どもは優秀な学歴を持つ可能性が高い、世帯収入の高さ=教育熱心さという見方だ。

また番組の後半では、学力だけでなく、体力および人間力をも鍛える塾があるという話。学校の体育より前に跳び箱を練習させたり、東京の子を雪山に連れていき、合宿スタイルで社会性を学ばせたり。
そしてそのような幼少期のさまざまな体験の多さは、将来のその子の年収の高さに比例するという調査報告も紹介される。


これ、全部納得。
アメリカで公立学校を選ぶのに、引っ越しするなんて当たり前。ネットでいくらでもランキングなりデータなり収集できる。
私もアメリカにきて、今の家が3軒目だが、ここに決める前に目ぼしい小学校を4校実際に訪ねて見学している。その時に最も印象が良かった小学校のそばに今住んでいるというわけ。ここはスクールタックスは近隣ナンバーワンで高い。メキシコ移民はこの辺りにたくさんいるのに、この学区域にはほとんど住んでいないのはそのため。

子どもを夏のサマーキャンプや、日々の習い事させるのも、多様な経験とチャンスを我が子に与えたいため。お金はバンバン飛んでいきますよ。中高生になったら、コンペティションだ、ボランティアだ、海外経験だ、大学生はインターンかな、お金のかけ方はいくらでも。

で、そういった豊かな経験をした子どもたち(こういう子たちは自己肯定感も高いらしいですが)、そのままススーっとエリートになって金持ちになって、いわゆる成功者=勝ち組になる(…かはもちろんわからないけど、確率は高いという話)。
オイオイ、はたから見ると、これ非常に嫌らしくて胸がザワザワしません⁉️

自分もそういうのを、できる範囲でだけど、娘たちにやってきて、今もINGでやってる…。渦中にいるとつい夢中になって、自分のしていることを冷静に見れなくなることも。でもそんな時こそstop and thinkだよね。

私が最近強く思うことは、子ども達に経験させるべきことの一番重要なものって実は「逆境」じゃないかな、ということ。
失敗も含めた逆境。
頭を押さえつけられたり、思い通りに与えてもらえなかったり、どうしてもうまく行かない問題にぶつかったり、その時に感じる悔しさや理不尽な経験。それを乗り越えたり、避けてみたり、共存したりする胆力は経験からしか得られない。

子どもを私立になんか行かせられない、習い事だってさせられない、でもそういう家庭の子ども達に逆境から得た不屈のハングリー精神が宿れば、私はそっちに人間としての伸びしろや魅力を感じる。ただし、愛情による自己肯定感は育んであげなきゃかもだけど。


世帯収入が高い家の子は、将来の成功者である確率が高いー。
こんな天井知らずの金、金、金の現状。
たいしてお金もないくせに、ナケナシでそこに追随してる自分、まったくナンセンスなのではチーンチーンと最近やっと気付いてきました。

この番組を見た子育て現役世代の人が、どうか無理な踊らされ方をしませんように。



今日の一言。
「精神的なタフさ。何かひとつと言われれば、子どもに身につけさせたいもの、それかな」

 



ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村