食事の話でなく、読書の話です。

20代で会社勤めをしていた頃、上司が「本は3冊同時平行して読むのがいいんだ。主食、おかず、デザートを並べて、その時の気分で読み分けるんだー」と飲み屋で力説してたことが妙に心に残っていた。

私は子どもの頃から本好きで、いつしか読書に意味を与えていた。大量の本から選ばれて私の目の前に現れた1冊の本。その本を読んでいる間、しばし現実は後退し、本の世界が自分の周りにまとわりつくような感覚、それらを大事に思っていた。


上司の言う3冊同時進行はビジネス本の話でしょ~と当時、私はそう解釈した。だって、私の場合、先が気になって仕方ない読みかけの本を差し置いて、別の本を読むなんてそんなことできないし落ち着かない。3冊同時なんてちょっと本を侮辱してるよ、と。

ところが、今、気がつけば、主食おかずデザート読書法、すごくしっくりくるようになってる。

只今のえぬの3冊は、
主食「職業としての小説家/村上春樹」
おかず「アメリカの鱒釣り/ブローティガン」
デザート「村上レシピ」

主食は、かばんの中に入れて、持ち歩いてる。子どもの習い事の待ち時間とか、携帯いじるより本読んでるほうが時間が早く経つ。

おかずは、ベッドサイドか居間のソファーサイドに置いておく。
デザートは、キッチンに。まあそういう内容だから、っていうのもあるね、この場合。

1冊をあちこちに持ち歩いて読破に邁進するより、その時の状況でそばにある本を手にするほうが楽。そしてその3冊それぞれが少しずつ進んでいくのが妙に快感なんですよ。
これ大人になるとわかる、M的感覚?
かつての上司殿、私もやっとその域にたどり着いたみたいです。名言ありがとうございました!


今日の一言。
「浮気と通じるものがあるかも。主食は妻だけど、おかずもデザートも楽しみたいって?読書だから、いいでしょ?」


 

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