わたしの知人の女性のことなのです。
彼女は30代なかば。
とある専門職についていました。
勤続7年で、お給料は350万円くらい。
彼女の人柄や仕事に対する姿勢。能力を考えたら、最低でも500万円はもらえるはず。
わたしはずっと思ってました。
でも、本人は、
「わたしよりできる人はいっぱいいるから、こんなもんですよ」
と、謙遜する。
と、いうか、
自分の価値がわかってないというか。
「本当にこのままここで仕事を続けるつもり?もっとやりたいことあるんじゃないの?」
わたしがそう質問するたびに、
「実はあるんですけど、今のわたしにできるはずないし、恥ずかしいから言いたくありません」
と、頑なに言おうとはしませんでした。
「わたしにできるはずないしの根拠は?」
「だって、すごい仕事だから、ただの夢ですよ夢」
つまり、
根拠はないってこと。
あえて、根拠を述べるなら、
自分を認めてないってだけ。
つまり、
自己承認が足りない。
行動に移せば、相手は認めてくれるかもしれないのに。
だから、わたし、半ば強引にひと月前くらいから会うたびに、勝手にコーチングしてたんですね。
頃合いを見て質問をぶつけて、彼女の答えにまた質問してって感じで。
すると先週の金曜日、彼女が突然、わたしに会いたいと言ってきて、書きかけの履歴書をわたしに差し出して、
「これ、添削していただけますか?」
そう言うのです。
「履歴書?やっと転職する気になった?」
「はい。なんだか、ここ一ヶ月の間にものすごく自信がついちゃって」
シメシメ。
コーチングの効果、出とるがな・・・。
「で、何やるの?」
「長年の夢だった海外の会社を受けてみようかなって。とりあえずですけどね。英語も片言だし、どうせ受からないし。1年後をめどに色々就活してみようって気持ちにようやくなりました」
ただ、履歴書の中身がまたこれ、
「自信のないわたし」
のオンパレード。
「〇〇ができると思います」「今までの経験から〇〇などもできるかもしれません」
自己PRなのに、できない人が一生懸命懇願しているようにしか読めない。
「〇〇できてるじゃん。なんで、『できると思います』なんて曖昧な表現をするの?」
「だって、その会社の業務でできるかどうかわからないから」
「それを判断するのは君じゃないよ。相手だよ」
「まあ・・・、そうですね」
「こんなこと書かなくていいよ。自慢する必要はないけど、今自分がやっていることだけを評価を加えずに淡々と書けばいいよ」
「そんなんでいいんですか?」
「そんなんでいい」
「本当ですか?」
「君のやっていることは他の人には誰にもできないんだよ」
そして、昨日のお昼。
彼女はアメリカに支店のある日本企業に一発合格したのです。
スキャンした履歴書PCで送り、面接はSkypeで。
給料は、月給5000ドル。約50万円以上。
履歴書を書いて合格まで、たったの3日。
「こんなことが現実にあるのかって、今でも信じられないです!こんなことならもっと早く受けてればよかった」
「どうして今まで、こんな簡単なことができなかったんだろうね」
「そうなんです。どうしてなんでしょう?よくわからないです。わたし、努力も何もしてないのに」
「努力してないのに、なんで受かったんだろう?」
「やったからですかね。行動したからですよね」
「そうだね。やればできる。そう思えたんじゃない?」
「そう!本当にそうです。やればできるんです。でも、やらなかった。やればいいのに」
そして、また、一人の若い女性が飛び立っていく。
別れの時には、その後ろ姿を見ながら、わたしは、
「愛と青春の旅立ち」のルイス・ごセット・ジュニアの演じた海兵隊軍曹のような気持ちになるんだろうな。
例え、ちと古い?
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風宏

