レスキュー女子es番外 『料理でコーチング』 -131ページ目

 

 

結局、Nさんは、管理部に異動。

 

 

 

 

暴言女の乱子さんが、Nさんのいた部署に異動になりました。

 

 

 

 

管理部にいた女性スタッフは大喜びでNさんを大歓迎で迎えます。

 

 

 

 

しかし、Nさんはどうしても納得ができませんでした。

 

 

 

 

そして、辞令を受け取りに社長室に入ったとき、直々に社長に聞いたのです。

 

 

 

 

 

社長の口から出た言葉は、それはそれは予想外のものでした。

 

 

 

 

「瀬古井から、乱子さんと変えてはどうかという提案があったから。

Nさんも納得しているって聞いたんだけど。

おれとしては本当に感謝しているんだけど、違うの?」

 

 

 

 

Nさんは激しく動揺しながらも、

 

 

「この異動には納得できません。

他の人ならまだしも、なぜ、わたしと乱子さんなんですか?」

 

 

 

 

「瀬古井も言ってたけど、それが一番それぞれの部署が円滑にいくんだよ。

ここはさ、会社のためだと思って我慢してくれないかな。

僕は将来的にはあなたに管理職になってもらいたいと思っているから頑張って欲しいんだよ。

ただ、それに反対している人もいるから、いろいろと時間がかかるんだよ。

わかってよ」

 

 

 

 

 

「反対している人というのは瀬古井さんですか?」

 

 

 

 

 

「あいつは男のくせに細かいからね〜。

瀬古井とはうまくやれてるって思ってたんだけど、案外そうでもないみたいだね。

あいつに嫌われるとあとが面倒臭いよ。

まあ、しばらく管理部で頑張ってよ」

 

 

 

 

 

Nさんは、瀬古井さんへの怒りで言葉を失いました。

 

 

 

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そこから始まる本当のパワハラ

 

 

 

 

 

Nさんは、瀬古井さんに食ってかかるのは止めました。

 

 

 

そうなると、もう瀬古井さんの思う壺だからです。

 

 

 

 

つまり、瀬古井さんは

 

 

最初からNさんの味方でもなんでもなかったのです。

 

 

 

 

 

使えない駒である乱子さんを外に出して、使える駒としてのNさんを手に入れるため、そして、Nさんを役職に就かせないための方便だったのです。

 

 

 

 

 

その証拠に、統括に異動してからのNさんは、瀬古井さんから、かなり辛い当たりを受けることになります。

 

 

 

 

 

そもそも、Nさんは食器の専門家としての中途採用でしたから、外部の人との交渉事や、この会社の内部システム的なことをまったく知りません。

 

 

 

 

管理の仕事は、エクセルやパワーポイント、経理ソフトを使いこなせなければ意味がないのです。

 

 

 

 

Nさんはそれがまったくできませんでした。

 

 

 

 

 

今までのキャリアで経理や庶務的な仕事をまったくやったことがない。

 

 

 

 

そこを、瀬古井さんは攻撃してきたのです。

 

 

 

 

 

「なんでエクセルを使えないんだよ。

そんなOLいないよ!今日中に全部覚えて。

で、この資料を全部打ち込んどいて」

 

 

 

 

 

そう怒鳴って大量の資料をドカンと机に置いていく。

 

 

 

 

 

「全然わからないんで、少し、勉強する時間をください」

 

 

 

 

Nさんがそう言うと、すぐにキレて、

 

 

 

 

「会社は学校じゃないんだよ!

なんでそんなこともできないのに、管理職になれるなんて思ったんだよ。

仕事なめんなよ!」

 

 

 

 

そして、女性社員たちに、

 

 

 

 

「こんなの教える必要ないから。

できて当たり前なんだから、教える時間なんて会社にはない」

 

 

 

 

 

Nさんはすぐに管理部で浮いた存在になりました。

 

 

 

 

人間こうもわかりやすく、変わるものでしょうか?

 

 

 

 

 

変わるものなんです。

 

 

 

 

瀬古井さんは、Nさんがいかに使えないか、男性社員、女性社員たちに触れまわりました。

 

 

当然、

 

 

 

 

「なんだ、結局、他の女子社員より仕事ができないんだ」

 

 

 

 

 

そういう空気になるのは簡単でした。

 

 

 

 

 

Nさんは、精神的に参ってしまいました。

 

 

 

 

数日後、PCに向かっているとき、突然、めまいに襲われ、倒れてしまったのです。

 

 

 

 

 

早退して病院で診てもらい、その診断結果は、

 

 

 

”メニュエル病”

 

 

 

 

すぐに、MRIやCTスキャンで頭の画像解析をしますが、特に異常は見られません。

 

 

 

 

最終的な診断結果は、

 

 

 

 

 

極度のストレスが原因による、メニュエル病で1ヶ月の静養が必要」

 

 

 

 

と、いうものでした。

 

 

 

しかも、

 

 

 

 

「このまま我慢して会社に行き続けたら鬱(うつ)になる可能性もあるから、仕事のことは忘れてしっかり休養するように。

いま、しっかり休まないと鬱になってからでは遅いですよ」

 

 

 

 

 

自分とはまったく関係ないと思っていた、”鬱”という言葉を聞いて、Nさんは恐怖を感じました。

 

 

 

 

 

翌日、診断書を持って、頑張って会社に行ったものの、瀬古井さんは、

 

 

 

 

 

「要するに女性がよく起こすめまいでしょう。そんなのすぐに慣れるんだよねー。で、いつから来れそうなの?」

 

 

 

 

 

同僚の女性社員も、

 

 

 

 

 

「わたしたちの年齢になると多いよね。

わたしも前になったけど、頑張って休まなかったからね。

メニュエルは休んだらダメだよ。

辛くても身体を動かしていたほうが早く治るから。

だから、絶対休んじゃダメ」

 

 

 

 

そして、こんなメールも、

 

 

 

 

 

「わたしもサボる口実に使ったことある。

Nさん、それは長期間休む理由になりませんよ。

ウソをつくならもっと上手なウソをつかなくちゃ。

そんな理由じゃ誰も同情しませんよ」

 

 

 

 

 

これらの言葉で、Nさんは完全に戦意喪失に陥りました。

 

 

 

 

 

なぜなら、あることに気づいたからです。

 

 

 

 

それは、

 

 

 

 

 

「わたし、みんなから嫌われていたんだ…。わたし、会社員に向いてないかも……」

 

 

つづく

 

 

 

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風宏