身体を鍛えて、満を持して退職
わたしは、決して頭はよくないので、堕落した自分を変えるにはなにをすればいいのか?
そう考えたときに、
よし、身体を鍛えよう!
そういうことしか、思いつきませんでした。
スポーツクラブの会員になり、お酒を断ちました。
朝、出社前に5キロ走り、就業後、先輩のお酒の誘いを断り、スポーツクラブで2時間汗を流し、外で5キロ走って就寝。
3ヶ月で10キロ体重を落とし、就職前の体重56キロに戻しました。
その過程で、あることに気づきました。
身体が軽くなると、頭が軽くなり、今まで真剣に取り組んでなかった仕事が楽しくなってきたのです。
体力がついた分、仕事に集中できる。
自信がついてくる。
できなかったことができそうな気がしてくるのです。
皮肉なものです。
仕事を辞めると決心してからのほうが、仕事が楽しくなっていきました。
ものすごく、後悔しました。
なんで、もっと早くこのことに気づかなかったのだろう。
なんで、もっと最初から真剣に取り組まなかったのだろう。
仕事を辞めると決意したとたん、
上司や先輩にお酒を誘われても簡単に断れるようになりました。
そうすると、上司や先輩は、
「もうお酒辞めたんだ?じゃあ仕方ないか」
と、決して無理に誘ってはきません。
そういうものなんだ…。
上司や先輩からの誘いは断れない。
そう自分が思い込んでいるだけでした。
行きたくなければ断ればよかった。
たったそれけのことが、わたしにはできなかった。
自分の勝手な思い込みで。
お酒をやめたら、朝、シャキッと目が覚めます。
身体がきついとか、ボ〜ッとすることがなくなります。
難しかった仕事が簡単に感じました。
Aさんが、なぜ、わたしにあのような罵声を浴びせて、わたしにしつこくつきまとったのか、なんとなくわかる気がしてきました。
みんな会社のために、自分の生活のために必死で働いていました。
そんな中、適当に仕事をしてもみんなと同じように給料をもらっているわたしが許せなかったのでしょう。
Aさんも決して仕事を真面目にしているようには見えませんでした。
彼もおそらく片手間に仕事をしていました。
それでも、「支社随一の頭脳」と称される能力で、みんなより仕事ができてしまいます。
その自分の不真面目な姿勢や、やりがいのない仕事に憤りや苛立ちを感じていたのかもしれません。
その部分がわたしと似ていると感じていたのかもしれません。
わたしのような能力のない人間と頭脳明晰な自分に同じ部分があることが許せなかったのかもしれません。
次男である父が、次男であるわたしばかりを責める姿と同じかも…。
以前、わたしはこう書きました。
傷つく時というのは、自分でもうすうす気づいているんだけど、それは、自分の最も忌み嫌う部分で、普段、意識の奥底に隠してあるような恥部の部分に気づかれた時、そして、そのことを言われた時、そのことを皆にばらされた時です。自分の目の前で白日のもとに晒された時です。
それと、同じように、
人間というのは、
自分の最も嫌いな部分。
自分が最も忌み嫌う部分(普段は意識の奥底に隠している部分)が、自分より明らかに弱い相手に似ていると、その部分を見せつけられているような気持ちになり、その人物をいじめたり、攻撃したりするようになります。
Aさんも、わたしに対して、そういう感情を抱いていたのではないでしょうか?
”近親憎悪”
の、感情です。
”好意”の表現が”征服”や”威圧”になっている大人
それと、もう一つ、気がついたことがあります。
”好き” とか、 ”好意・好感を持っている”、と
いう感情の表現が、人とは違う人がいるということです。
好意を持っている相手に対し、素直にコミュニケーションを取って、対等な立場で接するということができない人もいるということです。
そういう人が、パワハラの被疑者(する側)になるケースも多いのかもしれないと思ったのです。
具体的にどういうことかというと、Aさんは、もしかしたら、わたしのことを後輩として好意を持っていたのかもしれない。
と、いう可能性です。
Aさんは、わたしのことをバカにし、わたしを罵倒し続けましたが、その反面、飲みに誘うのはいつもわたしでした。
わたしに会社や上司の愚痴を言い、自分がいかに優れた人間かということを延々と語り続けるのです。
そして、二軒目、三軒目とはしごをして、最後はグデングデンになったわたしをその辺に捨てて勝手に帰ります。
翌朝には、昨日の話が嘘のようにまたわたしを罵倒し続ける。
夜になると、また、誘う。
一見、矛盾した行動のように思えますが、Aさんにとっては、これが、彼の心を開いた相手とのコミュニケーションの取り方だったのかもしれません。
常に周囲を見下していたような人でしたから、好意の表現が、”征服”とか、”威圧”とか、そういうアプローチしかわからない人だったのかもしれないのです。
周りが、それに逆らうことなく従ってきたので、誰も彼を叱る人間がいなかったから、それしかわからないまま大人になってしまった。
そう考えると、そういうタイプの人は世の中に実にたくさんいます。
人との正しい接し方がわからないまま大人になってしまったような大人たちです。ガキ大将がそのまま大人になったような……。
少なくとも、そういうタイプの人には、はっきりと言いたいことを言って、わからせてあげることも一つの手ではないでしょうか?
思っていることを、はっきり言ってあげると、案外、パワハラは治まったりするのかもしれません。わたしのように暴力に訴えてしまってはお終いですが…。
つづく
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