パイロット | ご飯、ときどき雑記

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読書の水先案内人(パイロット)




一冊の本を人生にたとえてみる。
出版される。
つまり世に出る幸福がある。
(ひとつの達成は人生のよろこびだ)
素晴らしい装丁に巡り合う。
美しい本は素敵だ。(人も同じだ)

だがもっとも幸福なことは
その本の価値を
味わい尽くす喜びを
文章によって称えられること。
的を射ぬいた共感の言葉を捧げられ
読み手としてこれ以上はない人を
得ることではないかと思う。
(ひとも自分の良さを
見出してもらい、認めてもらえることは
かけがいのない幸福でもある)



そういった才能を持つ人の
「本」にまつわる一文を
読むのは私にとっては至福なのだ。
そしてその中に未読の本あらば
もうたまらない。
お預けを喰った犬のようにはぁはぁ
してくる。
隙あらばふっとんで本屋に走る。
(または密林に貢ぐ)
信頼のおける読書の水先案内人だ。



私にとって現在ナンバーワンの地位を
長らく占めているのは作家の
川上弘美氏だ。

「いままで一番多く足を踏み入れた店は本屋。
次がスーパーマーケット。三番目は居酒屋だと思う。
なんだか彩りに欠ける人生ではある」。

いえいえ、どうして。
私も同じようなものだが、彼女のように
素晴らしい読者でありたいと願ったとて
こればかりはそうはいかない。



翻訳家でエッセイストでもある
岸本佐知子氏の「気になる部分」(白水社)は
川上氏のエッセイで出会った。
その抜き書きされた一文には
一撃をくらった。



「私にはロールシャッハ・テストの絵が
どれも『骨盤』に見えるのだが、異常だろうか」


こういう一文を
こともなげにものせる人のすごさよ。
もう走るしかない(笑)



ついでに、川上氏は漫画についても
たいそうな目利きなのだ。


もうダッシュするしかない(爆)



ついでに、本だけではない。
彼女が何気なく書き記す、酒とたべものの
文章はさりげなく、ここぞと
私の脳内分泌の快楽エリアを「ほれほれ」と
刺激してくるので
居てもたってもいられなくなる。
頭の中が、その酒とたべものでセットで
ぐるぐるになり
めくるめくドーパミン・パラダイスになって
妄想で「うきゃーっ!」と
飲みかつ食いに走り出す自分がいる。


おでん
あしたばの天ぷら
京都の湯どうふやさん方式の湯豆腐
(豆腐といっしょにあたためただしわりの
薄口しょうゆでたべる湯豆腐)
ビール小一本
燗酒2本・・・


やはり「うきゃーっ」だ。



小春日和。

どうぞ良い週末を♪