想像の暴走力全開 | ご飯、ときどき雑記

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真実かどうかは別として


さんさんとした陽射し。
風はひんやりとして
駅のホームの向かいに見える欅の木の枝から
一陣の風にはらはらと吹上げられた
木の葉の舞い散る様子にしばし見とれた。


週末の午前中の渋谷に向かう車内は
カジュアルな雰囲気の人がほとんどだ。
その中にすっと背筋を伸ばしてつり革に
つかまっている初老のおしゃれな男性に
思わず目が引き寄せられた。


スエードのジャケットにカラーシャツ
ポケットには繊細な淡いミックスカラーの
チーフをのぞかせて
紺のスラックスにはビジネス用ではない
やや光沢の強い細いストライプが走る。


まっすぐに車窓を流れる風景を
見つめているお顔は
主張もこだわりもある服装と

対照的な地味さ。
髪は丁寧になでつけてあって、
かなり目の粗いすだれだった。


この人はいったいどんな仕事をしてきた人なのだろうか…
どんな部屋に住んでいるのか…
どんな香りを漂わせているのかと
次々に想像がとまらない。
断じて妄想ではない。

ふと目に入った指先でそれは、
暴走気味になる。


つんで切り揃えられた爪はきちんと磨かれ、
左の小指には
金のデザインリングがはめられていた。


うーむ、なるほど。
このひとはもしかすると、個性のある話術で

とても女性にもてるのかな。
人を楽しませることに喜びを感じるひとだろうか。
また逆に針のように辛辣な
女性に対する鑑識眼を持つのかもしれない。
人生の生き方と分けあう時間には
女性を選ばなかった人なのだろうかと。

電車のスピードよりも、想像は

ぐんぐん加速してやや収拾がつかないところで

電車は駅についた。

そのひとは、網棚からブランドものではない
渋い使いこんだ革のボストンバックを下ろすと
滑るように歩き出して雑踏に消えた。


私はダウンの黒いコートに着膨れて
みっともないずだ袋みたいな
ナイロンのエコバッグをぶら下げていた。

こんなとき
吾れと我が身にいたたまれず、
激しく反省して洋服を発作買い(衝動買いより高いレベル)
してしまったりする。(爆)


カレンダーはあと一枚。
どうぞ良い週末をお過ごしください。