GR-55を使っていて,その高機能ぶりには驚きます。前機種のGR-20に比べて格段に高機能化しています。しかし,高機能ゆえの不満点もあります。
1.設定の複雑さ
GR-20では,二桁の数字しか表示できないディスプレイでしたが,GR-55では複数行表示できる液晶になりました。視認性は,比較的良好だと思います。EDITモードに入るとまず表示されるのが,PCM1・PCM2・V-Guitar・ノーマルPUの出音のON/OFFの状況,音色名,それぞれのVOL,全体のVOLです。ジョグダイヤルと十字カーソルで,パラメータの変更と表示の移動を行えます。この点は,直感的に操作することが出来,慣れれば素早く設定を変更することが出来ます。
しかし,GR-55ではこの他にエフェクターの設定やモデリングアンプの設定,CTRLペダル/EXPペダル/EXPスイッチに帯する設定など多種多様な設定が可能です。これにらを設定するには「←→のページ移動キー」を使って,ドンドンと液晶に表示されるページを切り替えながら設定をしなければなりません。あまりの設定の多さに(数えていませんが)設定のページは10ページ以上に及びます。いくらマニュアルを熟読し,設定方法を覚えても,全ての設定事項を「もれなく」設定するのは,困難と言えます。また,設定を確認するのもページを切り替えながらですから,非常に困難です。
プリセットのパッチを設定変更することで,かなり満足のいく音を作ることが出来ます。しかし,パッチAのPCM1の音とパッチBのモデリングギターの音を組み合わせたい何てことは,私にはまだ出来ません。
単純に音色を組み合わせるならば簡単ですが,それぞれの音色にどれぐらいのエフェクターをかけるのか,モデリングギターの設定(モデリングアンプ,イコライザー,エフェクター,ギタータイプ,ピックアップセレクトetc.)多機能ゆえの設定の多さで,プリセットと同じ音を自分でゼロから作るのは非常に困難です。
2.付属ソフトの貧弱さ
GR-55には「GR55 Librarian」というPC・MAC向けの音色管理ソフトがついています。しかし,このソフトで出来ることは,「GR-55内にあるUSERパッチのデータをPC内にバックアップすること」と「バックアップファイルからGR-55へパッチデータを書き込むこと」だけです。パッチの順番を入れ替えることもできますから,ライブの曲順に合わせてパッチの順番を整理しておくには便利です。
しかし,パッチの編集についてはROLANDから一切ソフトの提供はありません。諦めかけていたところ,YouTubeでGR-55のパッチデータをPCの画面上でグラフィカルに編集している動画を見つけました。
「GR-55 FloorBoard Software」「GR-55 Editor」などで検索をするとすぐに見つけることが出来ると思います。海外のフリーソフトのようですが,メニューの一部は日本語化されています。このソフトを利用することで,パッチの編集が100倍くらい楽になります。(^^)
ただし,現在は開発も止まっている様です。バグも結構あるのですが,それを差し引いてもGR-55ユーザーには必須のアイテムだと思います。本来は,ROLAND自身がこの様なソフトを提供すべきだと思います。折角,素晴らしいギターシンセをリリースしたのですから,ユーザーがその性能を充分に引き出せるようなソフトウェアがメーカーからリリースされることを切に望みます。
3.パッチ切り替えの遅延
素晴らしい機能を持ったGR-55ですが,これだけは我慢できないところです。
GR-55では,1バンクに3つのパッチが登録できます。GK-3のコントローラにあるUP/DOWNスイッチを使えば,バンク切り替えも容易に出来ます。(GR-55本体でもバンク切り替えは出来ますが,専用のペダルが無いため,複数のペダルを組み合わせて使いますから,実用的ではありません)
しかし,GR-55本体の1/2/3のペダルを踏んでパッチを切り替えるときの切り替え時間が,ビックリするほどかかります。もちろん1秒は掛かっていないと思いますが,確実に音が途切れるのが分かるくらいの時間です。これゆえにマルチエフェクターとしてもそこそこの機能を備えるGR-55ですが,エフェクターとしてだけ見るとかなり不満が残ります。
「バッキングからリードへ」または「リードからバッキングへ」素早くパッチを切り替えたいときも,短い休符を入れるつもりでないと使えません。普通のマルチエフェクターは,ギターの音を出していれば,パッチを切り替えてもギターの音は途切れることなく音色が切り替わりますが(実際には途切れているのかも知れませんが,途切れていると感じられないほど素早く切り替わりますよね)GR-55では,ギターの弦は振動し続けていてもパッチを切り替えると音が一瞬途切れ,音色がきりかわってから再び音が出始めます。
これについては「仕様」ということでどうしようもないようです。
次善策として,1つのパッチの中でCTRLペダルやEXPペダルを使って,何とかやりくりをしています。
GR-55では,パッチを切り替えしなければ音が途切れないようです。なので私は,CTRLペダルのON/OFFでPCM音のON/OFFを切り替えたりしています。また,EXPペダルのパラメータに各音色のVOLをアサインすることで音色のミックスを換えたりしています。
たとえばEXPペダルのパラメータに
「PCMのVOLを 100→0」と
「モデリングギターのVOLを 0→100」
のように設定しておけば,EXPペダルを踏み込むとギターだけの音になり,EXPペダルをもどすとPCMの音だけにできます。もちろんEXPを中間の位置で調節することで,PCMとモデリングギターの音ミックス具合を調節することが出来ます。
また,CTRLペダルにモデリングアンプの「LEADスイッチ」をアサインしておけば,CTRLペダルをONにするとGAINを上げてギターソロへというのも出来ます。
パラメータのアサインは,1つのパッチにつき合計で8通りまで出来るので,CTRLペダル1つで複数の切り替えを一度に行うことも出来ます。CTRLペダル,EXPペダル,EXPスイッチを組み合わせて使うことで,パッチを切り替えることなく,かなりの音を変化させることができます。パッチ切り替えの遅延を回避するための工夫として使っています。
4.ペダルスイッチの数が少ない
これはコストの問題や筐体の大きさに関係してくるので,一概に「欠点」とは言えないかも知れません。
これだけの機能を比較的コンパクトな筐体に押し込み,実売80000円弱で売っているのですから,それだけで驚異的なことでしょう。
GR-55では1と2スイッチを同時に踏むとバンク切り替えモードに,2と3スイッチを同時に踏むとチューナーモードに切り替わります。さらに3とCTRLスイッチを同時に踏むとルーパーモードに入ります。
これが,ライブの時にはとても不便です。うっかり隣のスイッチと同時に踏んでしまうと,訳の分からないモードに突入してしまい,私はパニックしてしまいます。これが,スイッチの形状や間隔のせいでしょうか,結構よくあるのです。
コンパクトな筐体にしたためにバンクUP/DOWNの専用ペダルがありません。それ自体は,GK-3のコントローラの方で何とかなるので(もちろん演奏を一瞬止めなければなりませんが)良いのですが,前述のように複数のペダルを同時に踏むことにモード切替が割り当てられているのは,困りものです。
チューナーモードなどは,「長押し(長踏み?)」で切り替わるようにしておけば,踏み間違えのトラブルもグッと減ると思うのですが・・・。もしかしたら,本体の設定でこのモード切替を無効に出来るのかも知れませんが・・・。
この続きは次回にまた。