オフィスソフトの購入や買い替えを検討している方の中には、「Microsoft 365」と「Office 2021」、「Office 2024」のどちらを選ぶべきか迷っている方もいるかもしれません。

 

 両者ともにMicrosoft Office製品ですが、Office 2021、Office 2024は従来の2016や2019といったシリーズと同様の製品で、馴染みやすい印象を持たれています。

 

 一方、Microsoft 365は以前の「Office 365」から名称が変更されたもので、比較的新しいサービスであるため、まだ馴染みが薄いと感じる方もいるでしょう。

 

 同じオフィスソフトでありながら、ビジネスモデルや利用できるアプリケーションに違いがあるため、どちらを選ぶべきか悩む人も少なくありません。

 

 今回のコラムでは、「2024年現在、どちらを選ぶべきか?」という点について詳しく解説します。Microsoft 365とOffice 2021、Office 2024の違い、それぞれのメリット・デメリット、コストやセキュリティについて比較しました。

 

 結論から言うと、これから購入を考えている方には、買い切り型のOffice 2021、Office 2024をおすすめします。

 

 まず初めに、Microsoft 365とOffice 2021、Office 2024の違いについてご説明します。

 

ビジネスモデルの違い

 Microsoft 365とOffice 2021、Office 2024の主な違いは、ビジネスモデルにあります。

 

 Microsoft 365は「サブスクリプション」モデルを採用しています。サブスクリプションとは、ユーザーが一定の料金を定期的に支払うことで、その期間中にサービスを利用する権利を得るモデルです。

 

 このモデルでは、ユーザーはサービスの「所有権」ではなく、「利用権」を購入することになります。具体的には、Microsoft 365ではオフィスソフトやその他のアプリケーション、サポートサービスを一定期間利用できる権利を、月額または年額で支払う形になります。

 

 一方、Office 2021、Office 2024は「買い切り」モデルを採用しています。買い切りモデルとは、ユーザーが一度の支払いでサービスの「所有権」を取得し、購入したサービスを期限なく利用できるものです。

買い切りモデルでは、サブスクリプションのように定期的な支払いは不要で、一度の支払いで永続的に利用することができます。

支払い方式の違い

 サブスクリプションと買い切りでは、支払い方式も異なります。

サブスクリプションでは、月額または年額で料金を支払い、その期間中サービスを利用します。支払いが継続される限り、サービスも継続的に利用できます。

一方、買い切りでは、サービス購入時に一度だけ料金を支払い、その後追加の費用は発生しません。これにより、長期的にはコストを抑えることができる場合もあります。

適したビジネスモデルを選ぶ視点

 このように、Microsoft 365とOffice 2021は異なるビジネスモデルを採用しており、それぞれ「所有権」と「利用権」、そして支払い方式にも違いがあります。そのため、どちらのビジネスモデルが自分に適しているかをよく考えた上で選ぶことが重要です。

 

利用可能なアプリケーションの比較

 Microsoft 365とOffice 2021、Office 2024は、ビジネスモデルの違いに加えて、「利用できるアプリケーションの種類」にも違いがあります。これも選ぶ際に考慮すべき重要なポイントです。

 それぞれで使えるアプリケーションを一覧にまとめました。業務に必要なアプリケーションが含まれているかを確認してみてください。

 

 

 

 

アプリ・値段 Microsoft 365
Business Standard
(小売り版)
Office Home &
 Business 2021 2024
(小売り版)
Office 2021 Standard
 (オープンライセンス版)   
Office 2021 Prefessional
 (オープンライセンス版
お値段 年間14900円 43980円 11500円 12500円
使用時にネット接続 必要 必要ない 必要ない 必要ない
MSアカウントでログイン 必要 必要 必要ない 必要ない
Word 文書作成
Excel 表計算
PowerPoint プレゼン
Teams コミュニケーション
Outlook メール
OneDrive クラウドストレージ
OneNote メモ
Access データベース管理
Publisher DTP

   

 ※Office サブスク版と小売り版の設定に使用したMicrosoft アカウントで、2年に1回以上サインインをしてください。 2年間サインインをしないと、Microsoft アカウントが停止されることがあり、小売り版のOffice の再インストールなどができなくなる可能性があります。

 

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ビジネスモデルやアプリの違いがもたらすメリットとデメリット

 ビジネスモデルや利用できるアプリケーションの違いにより、Microsoft 365とOffice 2021それぞれにどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?ここでは、両者の利点と欠点について詳しく比較していきます。

 まずは、Microsoft 365のメリットとデメリットを見ていきましょう。

 

メリット①:常に最新のバージョンを利用可能

 Microsoft 365の大きなメリットのひとつは、常に最新のバージョンのサービスを利用できることです。最新バージョンには、新しく追加された機能や改善された既存機能、最新のセキュリティ対策が含まれており、これらを活用することで、作業効率の向上や情報セキュリティの強化が期待できます。

 

メリット②:チームコラボレーションツールの利用が可能

 もう一つのメリットは、チームコラボレーションツールを利用できる点です。Microsoft 365では、コミュニケーションツールの「Teams」やクラウドストレージの「OneDrive」などを使うことができます。

Teamsを使用すれば、チャットやウェブ会議ができ、OneDriveではドキュメントの共有や共同編集が可能です。これにより、業務に必要なコミュニケーションをMicrosoft 365内で完結できるため、異なるツールを使い分ける必要がなくなり、チーム内でのやり取りが迅速かつシームレスになります。

 

デメリット①:継続的な費用がかかる

 Microsoft 365のデメリットは、継続的な費用がかかることです。サブスクリプション型のサービスのため、利用を続ける限り、定期的な支払いが必要になります。

 

 

 次に、Office 2021のメリットとデメリットについてご説明します。

メリット①:購入後に追加の費用が発生しない

 Office 2021の一つ目のメリットは、一度購入すれば追加費用がかからないことです。買い切り型のサービスであるため、初回購入後は無期限で利用でき、定期的な支払いは必要ありません。

 

メリット②:インターネット接続が不要

 二つ目のメリットは、利用に際してインターネット接続が不要なことです。Microsoft 365はサブスクリプション型で、クラウドを通じてサービスを提供しているため、いくつかの機能やアプリの使用にはインターネット接続が必要です。

その一方で、Office 2021は買い切り型のインストール版であり、インターネットがない環境でもほとんどの機能やアプリケーションを問題なく使用できます。

 

デメリット①:購入後の新機能を利用できない

 Office 2021、Office 2024の一つ目のデメリットは、購入後に追加された新機能が利用できないことです。購入時のバージョンのままでアップデートが行われないため、新しい機能や改良された既存機能にアクセスすることができません。

 

 Microsoft 365とOffice 2021、Office 2024のコストを比較するまでもありません。その違いは明白です。

 

 Microsoft 365とOffice 2021、Office 2024には、「ビジネスモデル」や「利用できる機能・アプリケーション」など、いくつかの違いがあります。それぞれにはメリットとデメリットがあり、必要となるコストも異なります。

 

 これらの違いから、どちらが絶対に良いというわけではなく、それぞれに一長一短があります。

 

 しかし、オフィスソフトの買い替えを検討している方には、永続ライセンス版のOffice 2021、Office 2024をおすすめします。
その理由は、中長期的に見た場合、コスト面でのメリットが大きくなる可能性が高いからです。