
相談
「アメリカ人の夫が日本でのキャリアアップを諦め、母国に帰って就職しましたが3か月もしないうちに退職。最近全く別の職種の勉強を一から始めました。私はその仕事は彼に向いているようにも思えないし、需要も頭打ちだし、勉強したてでは収入アップも当分見込めないと思います。
彼にそれを言っても「心配するな、今度は大丈夫」としか返ってきませんが、その割にいろいろネガティブな愚痴も多く、私もつい「努力や忍耐が足りないのでは?」「もう少しリサーチして、辞める前に賢いやり方ができたのでは?」と批判的なアドバイスをしてしまい雰囲気が悪くなっています。
そして、彼の仕事次第で私がアメリカに移住する可能性もあるのですが、わたしは日本での仕事も気に入っているし、アメリカに何度訪れても全く住みたいとは思えません。彼が日本に帰ってくるとも言っているのでそれは良いのですが、勉強が中途半端になるのを何とも思っていないようだし、また違うことをやると言い出しそうです。とにかくいまの関係ではお互いにストレスになり、まずいと感じています。カップルカウンセリングしていただけますか?」
Aki(仮名) 30代後半
個人セッションサマリー
Akiさんにはカップルカウンセリングの前にまず個人セッションをしました。詳細は違っても似たような相談を受けることがよくありますので、そのフォローアップサマリーの内容を編集して書いています。
ご主人のキャリアホッピングに一貫性や忍耐、努力があまり感じられない(Akiさんの基準以下)のに不安があるのでフラストレーションになり、彼にも優しい言葉をかけられず、批判するような口調や求められていないアドバイスをしてしまい、関係がギクシャクしてきたところでの、軌道修正をカップルカウンセリングで求めているという感じですね。
Akiさんの不安や彼への信頼が失われかけている大きな要因が、彼の良く言えばフットワーク軽く柔軟、悪く言えば思い付きや焦りや忍耐力なさからのキャリアホップ。プラス彼のキャリア次第で将来USAに住まなければならなくなる不安も加わっている。
望む状態は、日本で彼がせめて3年くらい?又は一生は続けられるような(続けたいと思えるような)仕事について、二人で家族としての共有時間を大切にし、将来家族が増えたときも揺らがない、家族生活を楽しめるしっかりとした土台を築きあげたい。
彼でいいのか?よかったのか?
お話をうかがって、Akiさんの大きな不安の表面的な要因は彼の一貫性のない転職や退職ですが、それの元だと思う彼の性格の一面がコアな心配で、信頼できないと思っている感じです。信頼感が揺らげば今後二人で夫婦として生活し続けるにあたって、本当に大丈夫だろうか? と思ってしまいますよね。
Akiさんはもしかしたら口論になったり、黙り込んでしまったりしたときに、時々自分は彼のことが本当に好きなのか?自問自答することがあるかもしれません。
読者の方は、以前のブログ「この結婚は成功なのか失敗なのか?」も参照してみてください。
参考までに、1人が淋しいときに、一緒にいたいのは誰? 自分が淋しい時、何かあった時に肉親以外で飛んできてくれる、または心配してくれる人は誰?長期間一緒にいて疲れないのは誰?と思ったときに彼がすんなり現れてくるなら、Akiさんにとって彼は大切な人と思って良いでしょう。

状況的不和
いまは、状況的不和という感じかもしれません。今の状況は彼の本質や適性からくるものではないと信じて(本質や適性ではないことをしようとしているから空回りしたり失敗したりするとも言えます)、ポジティブな彼の本質(可能性)を彼と一緒にみつけていきましょう。
彼の一貫性のない転職や短期間での退職は、「忍耐強くない」「後先よく考えない」「良いところしか見ないで飛び込む」「ネガティブな面を受け入れない」「賢く立ち回れない」「目先のことにとらわれる」という性格が災いしていると思っているかもしれません。
人間は、自分が適職や適した環境にあれば外部環境のネガティブなことにも大きなダメージを受けずに、ポジティブにいろいろこなして行けますし、小さなネガティブは受け流せたり乗り越えたりできることがほとんどです。
彼が上記のようになってしまうのは、キャリア形成に当たり、自分の適性よりは成功している友人や求人数や給与額など目先のベネフィットで選んでしまったからかもしれません。
彼の本当に好きで続けたいことと職業を結びつけるのが遠いようで近道だと思います。もちろん「歌が好きだから歌手になる」というような小学生的な短絡な結び付けではありません。
彼が日本に住むと決めたなら日本でキャリアカウンセリングを受けるのをお勧めします。(英語を話せるキャリアカウンセラーさんも知っていますので、その時が来たらご連絡ください)
