大切にしている場所に朝イチで妻と出かけた。おいしいホットチョコレートとチュロスが頂けるお店。
ある日のこと、散歩の途中、喉の乾きを潤そうと自販機でのみものを買った。そのときに妻が偶然見つけたのが pásele (パセレ)だった。
そのお店は店内に身を置くだけで不思議と落ち着きを与えてくれる。こころがほんわかと温まる。
店主の所作が何よりもステキなのだ。そして、ホットチョコレートはからだの芯から温まる。チュロスはスパイスがアクセントを効かせる。ほんのり甘くてスパイスの香りがたちこめる店内。その場所でしか味わえないものが確かにあるのだ。
根津も千駄木も谷中もてくてく歩くだけでも良かった。路地や坂道を足の裏で丸ごと感じてるだけでも良かった。寺社や石垣や眺めてるだけでも良かった。パセレを知った今となっては根津散歩に欠かせないピースであり主役となった。
ほんのり甘くてスパイスの残り香の余韻を楽しみながら上野公園へと向かう。途中、ヒマラヤ杉に立ち寄って挨拶する。ここも大切な場所。
「あ〜こうやって温まって散歩ができるってホントにしあわせだなぁ。ありがとう」。道すがら、寺社や藝大、そして上野公園の満開の桜を愛でながら。つないだ手の温もりを感じてこころが混ざりあった。