ただ呆然と会場を見上げていた。
膨大な時間と大金を費やしてやって来た。
長い待ち時間のあと会場へ入る。
ロープを結び、スタートにアックスをかけた。
少しはやれるかもしれないという微かな期待と、適度な緊張感。
仲間の声。
すべて出し切るつもりでいた。
結果は
あっと言う間のスリップ落ち。
世界の舞台では、燃え尽きることさえ簡単ではないらしい。
過剰な結果を求めていた訳ではなかったが、
全力で望めたらそれなりに納得できたかもしれない。
気付けば地面に下ろされ、スリップしたホールドを恨めしく見上げていた。
自分を嫌いになりそうだった。
そんな失意の弱者に
「ロシアに行こう」の声。
行くか迷っていたが、、、
そうだ!まだロシアがある。
行きたい時に行きたい所に行けるのは、今だけかもしれない。
「行きましょう」
>ロシアへつづく・・・












