本社の高田と飲みに行ってからのある日、奈央は岡本が、最近、奈央を無視しているように思えてならなかった。

もしかして高田が奈央が岡本のことを悪くて言ってたことをはなしたのか?

奈央は、岡本のことを津村さんと似たように入居者さんに暴言を吐いていることを高田にカミングアウトしたのだった。

奈央はふと空いた時間に岡本に呼び出された。

「誰とは言わないけど、私が入居者さんに暴言を吐いていることを本社にチクった人がいて私、高田さんから高橋さんの虐待をしているんじゃないかと疑われたの。水原さんじゃないよね。」

奈央は、この言葉がどういう意味なのか、少し考えてしまい返事にこまった。

岡本は本当は私が高田にしゃべったことをある程度知っていてわざとかまをかけて私に本当のことを聞き出そうとしているんじゃないかと思い。

奈央は、迷ったが、「違いますよ。」と答えた。
高田にあったら確かめないとと思いながら。

岡本は怪訝そうな顔をしながら、
「てっきりあなただと思ってたのに。だってあなた津村さんのこと、管理者にチクってたって、津村さんが怒ってたから。未だにメール来て、あなたのことを怒ってるわよ。」
 
やはり津村は、虐待を密告したのは、奈央だと思ってるらしい。

奈央は岡本のことを含めて、この前高田には、勢いで津村のことも話したが、高橋さんのアザの虐待については絶対に本社に密告はしていない。

高田が何らかの形で虐待のことを岡本に確かめたのかもしれないが、多分、奈央が話したことを匂わせながら、岡本に確かめたのだろう。

岡本はその後も、津村とは連絡を取りながら奈央を警戒しているようで、吉田や、酒田にひそひそ話して要るところに奈央が現れると、さっと話しを辞め、話していた相手に目配せするようになった。

副リーダーの吉田も、高田と飲みに行った奈央をに嫉妬しているのか今では全く口を聞いてくれなくなった。

高田は相変わらず最高の笑顔で、ホームに現れる。「頑張ってる。期待してるわよ。」奈央に声をかけるが、奈央は、心から笑顔を見せることができなかった。