不完全な切り紙細工 -44ページ目

不完全な切り紙細工

 誰も聴く人がいないのに歌いつづける歌がある
誰も見る人がいないのに踊りつづける踊り手がいる
誰も読む人がいないのに書きつづけられる言葉があって
不完全な切り紙細工を幾つも幾つもつなげていけば
そこに何かの絵が生まれるものと願う鋏がここにある

 
 
 バス停でバスを待っていたら

 向こうから象がやってきた

 しばらくして狐の親子が買い物帰りに通っていった

 何も不思議ではないけれど

 いつもの時間がすぎてゆく

 バスはまだ来ないが

 きっといつかは来るはずだ

 今頃は風の中を走っているのだろう

 まだ眠っている神を乗せたまま