夢のなかで夢を見る
ごく普通の生活をしている夢を見ていて
その夢の中で眠り悪夢を見たとしよう
つまり
悪夢にうなされている
そういう夢を見たということだ
dream of nightmare
なぜか
悪夢にうなされているのを見た夢は
悪夢ではなく
うなされている自分を見て
笑っていた
なぜだろう
うなされている自分を突き放して
夢見ている自分は
うなされてなんかいないと
喜んでいるのだろうか
悪夢にうなされている自分と
それをまた夢に見ている自分がいたら
いったいどちらが本当の自分で
うなされて嫌な気分と
笑っている自分のどちらが
本当の自分の気持ちなのだろう
そんなことを考え始めたら
頭が痛くなって目が覚めた
悪夢から
悪夢にうなされていたのを見ていた夢からも
悪夢から覚めてもまだ夢で
その夢から覚めた今のコレ
そんなふうなことが起きるなら
今の自分が夢じゃないって
どうしたら言えるのだろう
難しすぎる入れ子の構造に
僕は疲れて
また眠くなる
悪夢の中身は何だったのか
今となっては覚えていない
もしかしたら
それが思い出せずに悩む悪夢だったのか
夏の午睡に御用心
だいたい夢を見るというそのこと自体が
考えれば考えるほどわからない
夢はREM睡眠ステージに見る夢で
悪夢はステージIIIくらいで見る夢だっていうけれど
夢を見ていたっていうことや
夢の中身をどうやって立証できるのか
そんな科学的方法は21世紀の今でもないだろう
それを言葉で表現することもわからない
夢を見たというとき夢の中に自分がいたのなら
目覚めたときその自分は何処にいったのだろう
自分が鳥になった夢を見たって後から言うけれど
夢の記憶は不確かで時間と共に変遷する
だから本当に鳥になっていたのか怪しいし
仮に本当だったとして鳥だったときの記憶が
なぜ覚めてから自分の中に残っているのだろう
そんなふうに考えると夢は見たのではなく
単に見たと幻覚しているだけで
鳥の記憶ももとから自分の記憶に過ぎなくて
鳥になったような気がしただけだったのかもしれなくて
I dream a dream in which I am a bird.
と言ったときその二つの I が同一ならば
鳥が鳥の夢を見たことになり
自分が自分の夢を見ただけなのかもしれないし
だいたい普通に英語では
I dream a dream. というけれど
それってもとから
夢は夢を夢見るものだって言っているみたいで
かなり奇妙な表現じゃなかろうか
少なくとも
私は私の人生を生きる I live my life.
とはちょっと質の異なる表現だ
実はこれこそ夢にまつわる
A = A の大問題
さあ
あなたは今夜安らかに夢を見ることができようか
あなたは今夜安らかに夢を見ることができようか
Synthetic Dream by Rildrim
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