面白い形状
できるだけ手を抜いて最大の効果を上げるのが僕のモットーだ。複雑な実測やプログラミングは御免だ。
僕は建築大学院の図書館を漁り、シンプルだが面白い形状を見つけた。角材を立方体の形状に組み上げたものを2個用意し、一方を対角の頂点を結んだ線の周りに45度回転させてもう一方と組み合わせる。そうすれば面は総て角材の側面であるから長方形となり、頂点座標も、立方体をベースにサイン・コサインで計算すれば簡単に算出できる。
僕はボール紙で作ったサイコロを片手に、その形状の写真を睨みながら、長方形の各頂点の3次元座標を紙と鉛筆で書き出した。
この作品が「優秀作品」に選ばれて皆に披露されたのは言うまでもない。他の学生からは、「Is it geometrically possible?」、つまり「幾何学的に可能なのか?」などという質問が出て、「それ見たか、空間センスの無いオタクには理解できないだろう」と、僕は密かに微笑んだ。