電動タイプライター | windance の亜米利加放浪記

電動タイプライター

僕は大学周辺のジャンク屋で、プリンターと同じパラレルポートがついた古い電動タイプラーターを見つけてきた。それをコンピュータに接続すれば、プリンターとして使えるわけだ。


高校時代のアメリカ留学の経験から、昔のリサーチ・ペーパーにはクーリエのフォントが使用されていたことを思い出し、PCのワープロを使ってクーリエ・フォントによる論文の体裁を整えた。あとはそれをタイプライターに打ち出すだけだ。もちろんオートフィードではないから、一枚打ち終わったら手動で新しい紙を装着しなければならないが、せいぜい数ページのレポートだからそれほど手間のかかることではない。


僕はPCの印刷ボタンをクリックした。


パタパタと音を立てながら僕の論文を打ち出していくタイプライターを眺めながら、僕はコーヒーを片手にご満悦だった。機械とはこうして使うものだ。あっという間に印刷が完了するレーザープリンターと比較すると、まるで手作業のように一文字一文字を打ち込んでいくタイプライターは実に原始的だが、膨大な作業を自分に代わって手際よく完璧にこなしてくれているのが実感でき、妙に情緒があった。


厚めのタイプライター用紙に印字された10枚のレポートをミンスキー教授に手渡しした際、教授は「珍しいなあ・・・」とつぶやいた。彼は僕の論文にAをくれた。