Society of Mind
このクラスにおける課題は、4通のレポートだった。ミンスキー教授の有名な著書Society of Mind(邦題:心の社会)の好きなページを読み、そこで展開されている理論に関するコメントをレポートにまとめるのだ。
他の科目と比較すると嘘のような簡単な課題だったが、このクラスの教授ともなれば学生を鍛え上げるなどという世俗的使命は完全に超越している。
この本はそれ自体が脳細胞のような構成になっており、論旨はひとつひとつのページで完結する。従ってどこから読み始めても構わない。かなり分厚いその本をだいたい読み終わると、各ページの論旨が互いに結びつき合い、ひとつの体系を構築するようになっている。
電子媒体ではないのでハイパーテキストのように項目ごとが相互リンクされている訳ではなく、逆に厳密なリンク関係や章立てを意図的に省くことによって、そのあたりを読者の脳の働きに委ねようという実験的試みだ。各ページのテーマは具体的で比喩が多く、抽象論とは無縁で非常に分かり易かった。
Society of Mindは、今でも僕の世界観に大きな影響を与えている。