右前方に衝撃
突然、視界が真っ暗になった。いや、「真っ黒」と言った方がいい。僕は睡魔に耐え切れず、無意識にまぶたを閉じていたのだ。
車の右前方に衝撃を感じて目を覚ました僕は、反射的にハンドルを左に切った。対抗車線に大きくはみ出した車は、急ブレーキをかけなければスピンを回避できる。僕は方向を修正しながらブレーキを丁寧に踏み、車を路肩に停めた。
外に出て衝撃のあった右前方を確認すると、右ヘッドライトのあたりに大きな凹みがあり、ガラスが砕けて反射鏡が外れ、ぶらぶらしていた。ガードレールに擦ってその反動で破損したようだ。その向こうは深い谷底になっており、ガードレールがなかったら車もろとも真っ逆さまに転落していたにちがいない。僕はぞっとしながらも自分の幸運を知り、神に感謝した。