第一グループの帰還
登頂の日、朝4時。第一グループが出発した。
登頂の成否は自然に大きく左右される。リスクを分散するために2つのグループに分け、時間をずらして別ルートで登頂を試みる計画だった。いずれにしても、天気の安定している午前中に山頂アタックする必要がある。
6時ぐらいになって僕たちの第二グループが準備を始めた頃、第一グループがひどく疲れた様子でベースキャンプに戻ってきた。ルート途中の雪面の状態が悪く、滑落の危険が高いので断念したとのことだった。第二グループの代替ルートも、行ってみなければわからない。
リーダーのダグも第二グループで登頂する予定だったが、第一グループの失敗を聞いて、彼はキャンプに留まると言い出した。苦労してここまで来たのだから一緒に登頂しようと、皆でダグを説得したが、彼はかたくなに拒否した。登頂にチャレンジできなかったメンバーがいる以上、責任者の自分が登頂するべきではないと思ったようだ。