滑落に備えた訓練 | windance の亜米利加放浪記

滑落に備えた訓練

ハイキングの最終日、僕たちはベースキャンプをMt. Popocatapetelの赤茶けた斜面の中腹に移した。そして近辺の地形調査をしながら、翌日の登頂の訓練を行うことにした。


4000メートルを超えるころから氷雪の斜面となるため、滑落の危険性が高い。突起や樹木がほとんどない火山では、いったん滑り始めると途中で自然停止することなどは期待できないからだ。訓練場所は、少し登ったところの北斜面で、緩やかな傾斜の一部は氷雪に覆われていた。


僕たちは登山靴にアイゼンを装着し、ロープで全員をつないだ。ひとりずつ順番に氷の斜面でわざと倒れ、滑りながら身体をねじってうつ伏せになり、ピッケルを斜面に突き刺して止まる練習を重ねた。こんな一夜漬けの練習で本番の時に役にたつのかと半信半疑だったが、何もやらないよりましだ。


鋭いピッケルが氷に引っかかりうまく身体を支えてくれると、映画のシーンが思い出された。