キャンパス・ディーラー
こういった癖のある女の子たちや落ちこぼれの男子学生、その他、キャンパス中のほとんどの学生とその人間関係に精通していた友人が僕には2人いた。
彼らは共に、ある種の植物から生産される嗜好品のキャンパス・ディーラーをしていた。一応「ヤバイ」仕事のようなので、彼らは極めて鋭い人間観察力を持っている。大学中で知らない者はいない程の豊富な人脈を持ち、しかもそのひとりひとりについて、どの程度信頼できるかなどのリスク・ファクターを正確に把握している。
僕と特に親しかったそのうちのひとりは、異なる文化圏から来て事情が分からないだろうと、何かにつけて僕に目をかけてくれた。健全な友人ができるよう、パーティーの種類を選んでは僕にも声をかけてくれ、どういった連中は避けるべきか、どこに行ってはいけないか、何がヤバイのか、何が大切なのかなどを教えてくれ、いつも相談にのってくれた。
もうひとりのディーラーとはそれほど親しくなかったが、よくいろいろなパーティーに誘ってくれた。ある日、毒キノコ(笑い茸)を食べる会に誘われたが、僕は断った。ある量を超えて食べると死んでしまうので、少しだけ食べる、ということのようだったが、わざわざそんな危険を冒す理由が僕にはよく分からなかったし、知りたいとも思わなかった。彼はかなりイッてしまっていた部類のディーラーに属すると言える。