彼の心は凍てついていた
とはいえ決して頑丈ではない
ひどく薄い、水面の氷のよう
彼はずっと
焦げ茶色の前髪で
顔の左半分を覆っている
なにも知らないひとりの男が
彼の鬱陶しい前髪をかき上げる
男は絶句した
男は彼を突き飛ばした
彼の前髪の下は醜く膿んでいる
抉られた眼
彼の心は凍てついていた
何も言わずに
男の前から音もなく消え去る
彼は言葉を持たない
言葉は
彼のアタマから忘れ去られた
彼の心は凍てついていた
彼は無表情のまま
自らを切り刻む
赤
赤
赤
赤にまみれた彼は
静かに頭を抱える
赤にまみれた彼は
静かに眼を伏せる
赤にまみれた彼の前に
彼の支配者が現れた
美しくも醜い笑顔とともに
彼は
これから幕を開けるであろう惨劇を知っている
それでも
彼の心は凍てついていた
とはいえ決して頑丈ではない
ひどく薄い、水面の氷のよう
彼はずっと
焦げ茶色の前髪で
顔の左半分を覆っている
なにも知らないひとりの男が
彼の鬱陶しい前髪をかき上げる
男は絶句した
男は彼を突き飛ばした
彼の前髪の下は醜く膿んでいる
抉られた眼
彼の心は凍てついていた
何も言わずに
男の前から音もなく消え去る
彼は言葉を持たない
言葉は
彼のアタマから忘れ去られた
彼の心は凍てついていた
彼は無表情のまま
自らを切り刻む
赤
赤
赤
赤にまみれた彼は
静かに頭を抱える
赤にまみれた彼は
静かに眼を伏せる
赤にまみれた彼の前に
彼の支配者が現れた
美しくも醜い笑顔とともに
彼は
これから幕を開けるであろう惨劇を知っている
それでも
彼の心は凍てついていた