それぞれに…… 悩みを抱えて。
第十六話 ドラきちの苦悩
「ここは……どこニャ?」
周りを見る。目の前に広がるは、砂漠の王宮。
「テルパ……ドールニャ!」
テルパドール。砂漠の王宮。不可思議な力をもつ女王がいる。
「それより……そうだ。きっと、ナイトは、何かと代償に、助けてくれたのニャ……」
苦しかった。今、トンヌラとナイトはどこにいるのだろうか? 自分は……何故、何故ここにいなければならないのだろうか? 苦しい。
「ニャッ――――!」
苦しさを吐き出そうと叫んだ言葉は、空しくも空に吸い込まれるように……消えていく。
「苦しそうですね?」
「……ア、アイシス!」
アジア系の顔で黒髪。美しい瞳を持つアイシス女王。
「あなたの身に何があったか……大体はわかります」
「どうしてですかニャ?」
以前、砂漠の砂を踏むと、人の心がわかるという話はアベルから聞いた。だが、ドラきちは、砂を踏んでない。
「ああ、そうでした」
「何ですかニャ?」
「私には、色々なものが見えるのです。今、世界がやみに包まれかけているのも、最近の夢で知りました」
「夢……ですかニャ?」
「夢予知とは少し違いますが、似たり寄ったりですね」
「はあ……」
「さあ、王宮へ来てください。ゆっくり話を聞きましょう」
第十六話 ドラきちの苦悩
「ここは……どこニャ?」
周りを見る。目の前に広がるは、砂漠の王宮。
「テルパ……ドールニャ!」
テルパドール。砂漠の王宮。不可思議な力をもつ女王がいる。
「それより……そうだ。きっと、ナイトは、何かと代償に、助けてくれたのニャ……」
苦しかった。今、トンヌラとナイトはどこにいるのだろうか? 自分は……何故、何故ここにいなければならないのだろうか? 苦しい。
「ニャッ――――!」
苦しさを吐き出そうと叫んだ言葉は、空しくも空に吸い込まれるように……消えていく。
「苦しそうですね?」
「……ア、アイシス!」
アジア系の顔で黒髪。美しい瞳を持つアイシス女王。
「あなたの身に何があったか……大体はわかります」
「どうしてですかニャ?」
以前、砂漠の砂を踏むと、人の心がわかるという話はアベルから聞いた。だが、ドラきちは、砂を踏んでない。
「ああ、そうでした」
「何ですかニャ?」
「私には、色々なものが見えるのです。今、世界がやみに包まれかけているのも、最近の夢で知りました」
「夢……ですかニャ?」
「夢予知とは少し違いますが、似たり寄ったりですね」
「はあ……」
「さあ、王宮へ来てください。ゆっくり話を聞きましょう」