……魔王エスタークよ。今こそ、真の力をもち、目覚めるときだ。
彼、大魔王エスタークは、目覚める時、その声を聞いた。そして、エスタークは、数百年前とは、違い、真の力を手に入れ、復活したのだ。

―第一話 子孫―
グランバニア国王 アベル
妻        ビアンカ
アベルの息子   レックス
アベルの娘    タバサ
彼らと愉快な仲間たちが、魔王ミルドラースを倒してから、早75年。
レックスは、結婚し、子供の名を、トンヌラと名づけた。これは、アベルの父親、パパスが、アベルに付けようとしていた、名である。
そして、アベル夫妻は老衰で死に、レックスも年老い、トンヌラが、グランバニア国王となった。
まさにその直後である。
――――世界は再び壊滅への道を歩み始めたのである。

「はぁっ、はぁっ」
行き絶え絶えに、王宮に駆け込む、1人の男。全てはここから始まった。
「どうしました?」
かつて、アベルと共に戦ったピピンの息子、レイドが言う。彼はまだ、若く、城の玄関で、人への対応をしている。
「魔物が、魔物が、我々の村に……ぐふっ」
「おい、どうされました?」
「……残念だがもう死んでるよ」
声を聞き、駆けつけてきた、ベテラン兵が言う。
「どこの村の人だろう……」
我々の村……ここに助けを求めるというという事は、ここから近い村だだろう……
「……エルヘブンだ。この十字架は、エルヘブンの、それも、魔界との扉を塞ぐ役割を持つ、エルヘブンの中でも、かなりの能力者だろうな」
エルヘブン……というと確か、パパス曾祖父の妻、マーサ殿の故郷……。それに、エルヘンブンの能力者が、死んだという事は――

続く