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わたしのフリーメモ帳♪

久々の再会に乗じてリニューアルします!

日々思うこと、考えたこと、自作の小説のことなど、気ままに書いていきます^_^

暇つぶしにどうぞ!

※自作の小説を書いていきます。昨日思いつきました。




4月7日、朝。
桜の花びらが、風に乗って飛んで行く。今日から通う学校に向かう、真新しい制服の少年少女のざわめきを彩るかのように、道が桃色に染まっていった。

ざわめきの遥か後ろを1人で歩く少年は、桜を尻目に一つ大きく欠伸をした。耳に当てているイヤホンは、彼の学ランの右ポケットに入っているiPhoneに繋がっている。バス停のベンチに座り、ズボンのポケットから手を出さぬまま、彼は目を閉じた。

目を閉じれば、彼の好きな世界が広がっている。耳から入ってくる音楽が心地よいのか、さっきまでの憮然な顔が、少し緩んだ。一度目を開け、周りに人がいないことを確認し、また目を閉じた。

聴いている音楽に合わせて、彼は鼻歌を奏で始めた。音楽と一体化してる気分になるため、この瞬間が一番好きなようだ。

彼の名前は神崎唄(かんざきうた)。
今日、入学式を控えている新入生だ。彼もまた、ついこないだまで中学生だったのだが、どうも子どもらしさが残っていない。

しばらくして、唄の目の前にバスが停まった。唄は、溜息をつきながらゆっくりと立ち上がる。

唄がこれから行く学校は、市内でも有数の進学校・高名寺高校(こうみょうじこうこう)だ。親に勧められ、受験した。しかし、彼自身が行きたかった高校ではない。

流石に、バスの中で鼻歌を歌うわけにはいかないので、唄は学ランのポケットからiPhoneを取り出し、ゲームのアイコンをタップした。賑やかなBGMがイヤホンを通し、耳に入ってくる。

ゲームは彼にとって、音楽とはまた違った現実逃避である。このようにiPhoneを酷使しているためか、充電はすぐ無くなってしまうが、つい最近モバイルバッテリーを購入したため、充電の心配はない。

バスの外に流れる景色になど目もくれず、唄はバスが停まるまでゲームをプレイした。

中学の時には通ったことのない道など、唄にとってはどうでもいいことだった。冷めているのかと思われそうだが、決してそんなことはない。

「…眠い。」

ただ、やる気が無いだけであった。

バスが停まったため、iPhoneをまたポケットにしまった。そして、手をズボンのポケットに突っ込んで、音楽を聴きながら、道を歩き始めた。足取りは重たいようで、他にも歩いている生徒たちの、少し後ろの方をのろのろと歩く。

校門の前には、やはり人が沢山いた。唄は露骨に怪訝そうな顔になる。人混みは、唄の嫌いなものの一つだった。なんとか人にぶつからないように、身を捩って避けて行く。中には、生徒の親御さんらしき人も見える。

彼の親は、仕事の都合で来れないとのことだった。でも、唄はそれで良いと思った。わざわざ来てもらう必要もない。大学二年生の兄は、来ようとしてくれたが、悪いので断った。

入り口のところまで歩くと、上級生に呼び止められ、胸元に花をつけられた。花を貰ってから、また歩き出そうとした時、よく知った声が聞こえてきた。

「おお。唄。入学おめでとう。」

「春元先輩。」

春元正輝(はるもとまさき)。唄と同じ中学で、二個上の先輩だ。近所に住んでいたので、幼馴染みのような感じだが、春元が中学卒業後、すぐに引っ越してしまったため、あれ以来一度も会ってなかった。

「ここにしたんだな。」

「はい。」

「…吹奏楽は?」

「…反対されました。」

「…そうか。」

ま、頑張れよ。と春元は唄の肩を叩いて、別の新入生の方へと向かって行った。唄は、また一つ欠伸をして、学校の中に入って行った。