いつもご愛読いただいている「とおりすがり」さんから以下のようなリクエストを頂戴しました。
今年の東北リーグではディフェンス側に対してパスインターフェアが非常に厳しくとられている気がします。
玉際の勝負でしっかりボールにアタックしている場面ですらたびたびイエローフラッグが飛んでおり、こちらとしてはパスのたびハラハラものです。
できればこちらのブログでもパスインターフェアについて明確な定義や反則にならない競り方とはどういうものなのか紹介してもらえませんか?
ディフェンスのインターフェア(DPI)については、何度か本ブログでも取り上げていますが、今一度おさらいしてみましょう。
上記のルール解説でも触れていますが、攻撃側はそのプレイがパスであるとわかっているので、攻撃側からは、ボールがスナップされてから、そのパスが攻守どちらかのプレイヤー、審判、グランドのいずれかに最初に接触するまで守備側には接触することはできません。
しかしながら守備側はそのダウンのプレイがパスなのか、ランニングプレイなのかがわかっていないわけですから、パサー(QBとは限らないのでこう表現します)の手からパスが投げられるまではレシーバーへの接触が許されています。これは正当な接触ですから、レシーバーをつかんでいたり、必要のない乱暴なブロックの仕方をしない限り反則ではありません。
ご質問の「玉際ではしっかりボールにアタックしている」という部分ですが、この場合で反則のフラッグが出るのは、
1.その玉際に至る過程で、ボールにアタックするためにレシーバーの身体を払いのけたり、押したりしている
2.玉際になった時にレシーバーに必要のない手出しをしている
ということが想定されます。
先に述べた通り、「パスが投げられるまで」はレシーバーへの接触は正当ですが、この部分を「ボールが飛んでくるまで」と誤って理解しているDBが多いのも事実です。
何年か前のルール改定で、キャッチ不可能なパス(オーバースロウが多いのですが)の場合には、DPIは成立しない、という規定に変わっています。サイドラインアップなどで、よく見かけるケースですが、大きな山なりのボールを投げてDBと競わせるプレイがたまに見られます。こういうパスの場合にはキャッチ不可能と判定されることが多いようです。
ただし、守備側がレシーバーに(パスが投げられた後で)ぶつかり、キャッチできるポイントまで行く事ができなかった場合にはDPIと判断されることになります。
では、審判はどこを見ているのでしょうか?
ディープをカバーする3人の審判(FJ、SJ、BJ)は、それぞれ自分のカバーするレシーバーが決まっています。守備側がマンツーマンでもゾーンでも、そのカバーレシーバーをプレイが始まってからそのダウンが終わるまで注視することになっています。
例えばDBがレシーバーに接触をしていたとすると、その最初の接触から担当審判は見ていることになります。
一番注目するのは、パスが投じられてそのターゲットとなったレシーバーとDBが飛んできたボールに対してどういうリアクションをしているか、という部分です。
コンタクトがうまいDBは、パスを投げられるタイミングぎりぎりまでレシーバーにプレッシャーをかけ、ボールが飛んできた瞬間に玉際に回りこむ、ということをしています。これは、審判をしていても(うまいなあ)と思う瞬間でもあります。
最近のDBはNFLの中継を見すぎなのでしょうか、片手をレシーバーに添えるようにして、レシーバーと正対(向かい合って)で並走し、レシーバーがボールに反応する瞬間に振り返ってボールを競り合うというカバーをしているケースが多く見受けられます。身体能力が黒人のDB(ましてプロです)と同等の日本人フットボーラーは、残念ながら見られません。いたら、すでにNFLでデビューしているでしょう。外見だけを真似しても、技術が伴っているとはいえない場合、往々にしてそれは反則という形になってしまうのです。
DPIの一番のポイントは「レシーバーに接触することなくボールに対して守備側が反応しているか」という点です。上記のようなカバレッジでは、ボールが来るのか来ないのかをDB自身では判断していないことになり、レシーバーと競るためにレシーバーに接触してしまうということが多いのも事実です。また、片手を添えてしまうことで、ディフェンスホールディングという判定になることもあります。同じようにパスターゲットであるレシーバーに対して、たとえパスが投げられる前であっても、しつこいヒットをしたりすれば、パーソナルファウルになる可能性もあります。
レシーバーに接触しないきちんとしたカバレッジ、パスが投げられた後のボールへの反応、DPIはこの2点を満たしていれば、フラッグは出ないという認識でいてください。

