【第3章 スクリメージ・キック】

第1条 ニュートラル・ゾーンを越えなかった場合
①自陣2ヤードからの第4ダウン。攻撃側の蹴ったパントはニュートラル・ゾーンを越えたところで守備側のプレイヤーに当たり、攻撃側のエンドゾーンに戻ってきた。このボールを攻撃側のプレイヤーがエンドゾーン内で押さえた。

②①と同じシチュエーションで、エンドゾーン内でボールをピックアップした攻撃側のプレイヤーがボールを前進させ、自陣5ヤード地点でデッドとなった。



いずれの場合も判定はセフティーです。

【解説】このケースで判定の基準となるのは①ボールがニュートラル・ゾーンを越えた②その原動力は攻撃側にある③スクリメージ・キックに攻撃側がタッチした時点でボールはデッドとなる---の3点です。ニュートラル・ゾーンを越えたスクリメージ・キックが守備側のプレイヤー、審判、グランドなどに当たってその方向が変わっても、最初にボールに与えられた原動力はキック側にあります。そしてキック側は成立したスクリメージ・キックにタッチ、キャッチ、マフすることはできません(不正なタッチ)。

【第5章 フェヤーキャッチ】

第2条 前進できない

攻撃側が蹴ったパントの落下地点近くで守備側の#45がフェヤーキャッチのシグナルを出した。#45はキャッチできるにも関わらず、わざとこのボールをキャッチせず、グランドに落ちたボールを守備側の#33が拾い上げ、約10ヤードリターンした。



ボールを拾い上げた地点でボールデッド、そこから守備側の「不正な手段」の反則で5ヤード下げて、守備側の第1ダウンとなります。

【解説】スクリメージキックなどでフェヤーキャッチのシグナルを出せば、そのチームは全員がボールを前進させることができません。シグナルを出したプレイヤー、または彼以外のプレイヤーがボールを確保し、3歩以上動けば反則となります。
第4条 不正なブロックまたは接触

フェヤーキャッチのシグナルを出した守備側の#18がボールをキャッチせず、転がったボールを押さえようとしていたキック側の#80をブロックした。ボールはエンドゾーン内でデッドとなり、タッチバックとなった。
#18の「不正なブロック」。タッチバック後の20ヤード地点からゴールまでの半分の距離を罰退し、守備側の第1ダウンとなります。

【解説】フェヤーキャッチのシグナルを出したプレイヤーは相手をブロックすることができません。これはチャージするキック側のプレイヤーがフェヤーキャッチのシグナルを見てシグナルを出したプレイヤーにタックルできないことから、緊張を解いている状態でブロックされてしまう非常に危険な状態を避けるための規定です。借りにこのブロックが守備側のエンドゾーン内であれば、セフティーとなります。