今年で63回目を迎えるアメリカンフットボールの東西大学王座決定戦「甲子園ボウル」が、来季からトーナメント方式の選手権大会に衣替えしそうだ。現在は関東、関西両リーグの王者による対抗戦だが、全国8リーグの優勝校によるトーナメントに移行する方向。(朝日新聞)

甲子園ボウルはこれまで毎日新聞がスポンサーとして運営されてきました。実は来年からこのスポンサーがパナソニックに変わるという話があり、関西協会もこれを機にTV放送についても各局と交渉していたようです。そこにNHKから放送してもよい、との回答を得、全国放送に乗せるための方策としての全日本学生トーナメント、という手法が出てきたようです。
ちなみに8リーグとは、関東1部(A・B)、関西1部(1位、2位)、北海道、東北、中四国、九州なのか、現在関西学連に所属している中部、北陸を加えて関東、関西とも従来通り1位のみになるのかは定かではありません。アメフトファンとしては関東、関西からは2校という形が嬉しいでしょうね。

今年の実績からいけば、トーナメント1回戦は立命VS広島、関学VS西南、法政VS東北、日大VS北大になります。今の実力では地方リーグの勝利はかなり厳しく、大差がつくと思われますが、まずやってみることはいいことでしょう。そして2回戦が立命VS関学、法政VS日大となれば、頂上対決がまた見られることになるわけです。遠征費用や本番を東西対決にすることなどを考えれば東西でそれぞれトーナメントの山を作り、決勝=本番という形でしょうね。

日程が厳しくなるのは否めません。関東、関西とも甲子園ボウルから逆算して1位が決まる最終日を決めていますから、このトーナメントを導入することで最低1ヶ月は前倒しでリーグ戦を始めるか、甲子園ボウルの日程を後ろにずらす必要が生じます。

現在関西協会の傘下になっている中部や北陸はトーナメントに参加するために独立を希望するかもしれません。あるいはこの2地区を加えて1回戦を西日本だけ増やす方法もあります。ただ先にも書いた通り実力差はあります。トーナメントに参加できることで、地方リーグの加盟各校はレベルアップを図るでしょう。そのためには練習時間を長くしたり、週6回練習するなどより体育会な活動にならざるを得ません。例えば東北大などは部員のほとんどが理系の学生です。私は文系でしたが、理系は3年以降に演習や実験などで練習できない曜日が必ずあるという話を聞いたことがあり、学業のことを考えて部員が減少してしまう恐れもあります。

また、1度やってみてダメならすぐ元に戻すという安易な試みになってはいけないでしょう。最低でも5年くらいは続ける気持ちで日本協会が東西の協会に納得させることが重要です。甲子園のグランドで私が関わってきた地域の代表同士が対戦する、なんてことが実現したら、最高なんですけどね。