ブログネタ:グッっとくる目は、どんな目? 参加中初任地であった福岡で、関西審判部のクリニックを受け、2年を過ごした後、転勤で東京に戻り本格的にアメフト審判の活動が始まりました。
当時すでに関東学連加盟校には、加盟年数に応じて審判の義務人数が決まっており、我が雉達では私の2つ上のK山先輩だけが審判登録されていました。1人では義務人数を満たしていなかったのですが、当時現役の監督をやっていた私の同期のSは学連会議で「福岡で1人審判をやっています」という弁解をして義務人数をクリアしていたそうです。
学連執行部をやっていたおかげで関東審判部の皆さんは私のことを覚えていてくれたことと、福岡での2年の経験から秋のリーグ戦では目一杯ゲームの担当をさせていただきました。
今のように審判のポジション制はなく、試合当日のミーティングでその試合のポジションを決めるというシステムでした。
リーグが始まって間もなく、当時の1部の試合の担当になりました。対戦カードは日大VS立教でした。レフリーは関学出身のO原さん。ミーティングでの第一声が私に向かって「お前がアンパイアね」でした。
アメフトの審判は7人(当時は6人)いるのですが、みなプレイを外側から見るという「BOX IN」という判定の仕方をします。ただ一人例外なのがアンパイアで、このポジションは守備側の2列目のすぐ後ろに位置し、一番間近でプレイを判定するのですが、一番プレイに巻き込まれる可能性が高いポジションでもあります。
この頃の日大は甲子園ボウルの常連で、関東では段違いの強さ、もちろん監督は泣く子も泣き出す篠竹監督です。ご指名を受けた以上断ることもできず、若干ビビりながら試合に入っていきました。
実はアンパイアというポジションは慣れると一番おもしろいポジションでもあるのですが、1部の試合でいきなりのアンパイアはかなりプレッシャーでした。
巻き込まれることもなく、日大が得点を重ねていった時に、それが起こりました。
日大オフェンスはショットガン体型。QBはM岡君かS木君だったと記憶しています。パスが多いショットガンですが、時折見せるランニングプレイが効果的で、度々ロングゲインをしていました。
セットしたQBはディフェンス体型を見ながらゆっくりと私の立ち位置を確認しているようでした。そして次の瞬間、目が合った私にあろうことかQBは「ニヤッ」と笑ったではありませんか。
どういう意味の笑いだったのかをプレイが始まった私は身をもって知ることになりました。センターのスナップを受けたQBはバスターゲットを一瞬だけ探す仕草をした後、迷うことなく、私目掛けて走ってきたのです。
QBドローと呼ばれるプレイなのですが、日大は審判もブロッカーとして利用していたわけです。
この試合以降、O原さんがレフリーをされる時にクルーに入っていると私は必ずアンパイアでした。日大の試合もO原さんとのコンビで何試合かやらせていただきました。QBが変わってもQBドローは日大の十八番(おはこ)プレイのようでしたが、プレイ前に私に向けられたあのQBの目にはその試合以降では出会わなくなりました。
