ブログネタ:6時間以内に10万円使わなくてはいけなかったら何に使う? 参加中
T誌への九州学生のゲームレポートなどは、当時なかなか注目されないスポーツだったアメフトを九州でやっている諸君らには嬉しい出来事だったらしく、各チームに好評でした。原稿料は毎月現金書留で送られてきました。初めての一人暮らしで金の使い方がよくわからず、給料日前には金欠になっていた私にとってはありがたい「おこずかい」でした。

寄稿を始めて半年余りすると、その原稿料が送られてこなくなりました。特にT誌と契約を交わしていたわけでもなかったので、請求などもせず、その後も寄稿は続けていました。まる2年の勤務を終え、本社に転勤、当然T誌への寄稿も終了しました。

東京勤務を3年、その間に結婚し、上の娘が生まれる年に横浜に転勤となりました。福岡勤務を終えて4年目の梅雨時だったでしょうか。仕事が終わり自宅に帰ると、妻が「ねえ、あなたタッチダウンから書留が来てるわよ」と封筒を私に渡しました。現金書留で金額は10万円。「なんか書いたの?」という問いに「ああ、多分福岡んときにもらってなかった原稿料だよ」と答えました。
額面は「111,111円」でしっかり1割が源泉徴収で引かれています。実際に支払われなかった回数はもう少し多かったようにも思ったのですが、4年越しの支払いでした。そして、今日のお題へとつながっていくのです。

「給料日前で臨時収入は助かるわ」の一言とともに、私の原稿料は全て家内の財布へと吸い込まれていったのです。山分けでもなければ、おこずかいをそこからくれるわけでもなく、10万円は6時間どころか、6秒たりとも私の手中に滞留することなく、私の前から消えていきました。