現役のKコーチが試合の模様を寄稿してくれました。せっかくなので、彼専用のコーナーを設けて、試合の様子をアップすることにしました。



四大戦の1回戦,学習院大学対武蔵大学。


武蔵の08年春季シーズン初戦でもある本日の試合。
08年シーズンの大事な入り口であり、今年のチームがどれだけ実戦で出来るかを占う試合でもある。
そして対戦する学習院大とは、2年連続で、秋の再戦を踏まえた試合となり、様々な構想・感情・駆け引きが交錯する。昨年は春に武蔵が快勝し、その勢いで秋の初戦に臨んだが、捲土重来の機会を伺っていた学習院大にリベンジを許す結果となった。
春の勝利で気が緩んでいなかったとは言い切れない。
今年も秋を視野に入れながら戦う、非常に難しい試合になることは間違いなかった。
 
また、春の武蔵の宿命ではあるが2・3・4年生のみの戦力で戦う為、選手人数が逼迫しており、苦しい人数事情での試合となった。


第1Q、幸先よく学習院大攻撃を凌ぎパントに追いやると、武蔵攻撃はパスからゲームを作る。RB5柏木のランアフターキャッチですぐフレッシュを更新すると、一発勝負のプレイアクションからのWR11大岩へのロングパスが決まり、開始3プレーでTDとする。(7-0)


ディフェンスも55DL秋田・56DL原嶋・52LB黒澤・42新入生LB長崎らの機動力が活き、学習院大オプション攻撃を進ませない。

2Q、最初のシリーズのロングパスで奥を気にしている学習院DB陣に対し、武蔵攻撃はオープンランとクイックパスの応酬で攻め、最後は36FB中野の中央のランで追加TD、学習院大を突き放す。(14-0)

ここで予想外の楽な展開に慢心が出たか、学習院大WR80番へのロングパスを捕球され、そのまま(約)70ヤードの独走TDを許してしまう。(学習TFP失敗)(14-6)
しかしTDを許した25DB小野寺がリベンジとばかりその返しのキックリターンで、(約)70ヤードのビッグリターン。
これを5RB柏木・21RB須磨のパワーラン・WR11大岩・4近藤へのショートパスのバランスアタックで、21点目となる5柏木の追加TDランに繋げる。(21-6)


後半、モメンタムが動き出し、3Qのパントリターンでのファンブルロストと、その時併発したケガ人発生から、少しづつ歯車が狂い出す。幸いこのピンチのシリーズをディフェンスは秋田のQBサックなどで乗り切るが、その後の学習院シリーズで、連発ロングランを許し2本目の失点をしてしまう。(21-13)

1ポゼッション差に追い込まれた武蔵オフェンスは、オープン攻撃とプレイアクションを併用し、追加TDを上げる。(27-13)


しかし時間を使ってTDをとるような余裕もなく、4Qに入る頃には、人数で劣る武蔵に疲労の色と人員不足での混乱が見え始める。

時間を使いながらドライブをしたい武蔵オフェンス。が、なんと四大戦記録とも言える5連続反則で、進めども戻され全く進めない。4thダウン超ロングを残したパントでもスナップミスが出、武蔵陣30yでのターンオーバーで学習院大に絶好のフィールドポジションを与えてしまう。


このシリーズは黒澤の奮起などで失点を防ぐ。しかしインサイドのランとTE10小野澤へのプレイアクションで時間を消費しながらつなぐオフェンスが、安全策の中央のランでエクスチェンジミスからまたもや攻撃権を奪われてしまう。
三たび来た武蔵ディフェンスのピンチに、ロングポストパターンなどでエンドゾーンを陥れようという学習院攻撃から3SF宮・33SF橋本・52LB黒澤らのパスディフェンスが粘り、相手の最後の4thダウンギャンブルを止め、辛くも勝利することが出来た。