ブログネタ:失恋の思い出 参加中


本当の恋をしたのは、大学に入ってからでした。3年まで彼女を作るなどという余裕もなく、高校時代は自然消滅がほとんどの付き合いしかしていなかった私に、その年入学した後輩で彼女ができたのでした。
彼女は栃木県出身で、東京では初めての一人暮らし。親戚のお宅の近くにアパートを借りていました。お互いに違うクラブだったので、学校で逢う以外は、練習が終わった後の飲み会とかお茶くらいのお付き合いからはじまりました。

新人のクラスコンパでへべれけに酔っ払った彼女を車で自宅まで送り、着替えをさせて寝かしつけたり、もう一組のカップルと雨の降る中、湘南バイパスを時速120kmでぶっ飛ばしたり、夏休みに一緒に海に行って、気がついたら手をつないで寝ていたりと今から考えたらほほえましいお付き合いをしていました。

次の年の彼女にとっては最初の春休み。もうそろそろ桜も咲こうかという頃に私に電話がありました。「こんなに長く離れてるのに、恋しくないんだよね」。一つの恋の終わりは唐突にそしてあっさりと訪れました。

大学を卒業して数年後、クラブの後輩が彼女のクラスメートと結婚することになり、披露宴に出席するために静岡に行きました。(新婦の友人だから来てるのかなあ)そんなことを思いながら、出席者の席次表を見ると、案の定彼女の名前がありました。こちらは昨年長女が生まれたばかり。年齢的にもまだ若造でしたので、笑って彼女と言葉を交わすこともできず、お開き直前に彼女の方から「お久しぶり」と声をかけられました。「やあ、元気にしてた?」というのが精一杯。自分でも情けなくなりましたが、きれいになった彼女を見て、なんかホっとしたのを覚えてます。