民主党は19日午前、都内のホテルに東国原英夫宮崎県知事らを招き、道路特定財源問題に関する公開討論会を開いた。同党の菅直人代表代行は「(道路事業を)公平、公正、透明に決めるルールを一緒に考えてほしい」と呼び掛けたが、東国原知事らは同党が掲げる道路財源の一般財源化や揮発油(ガソリン)税の暫定税率廃止に反対する姿勢を崩さず、論戦は擦れ違いが目立った。
 菅氏は、道路予算について「国土交通省と道路族が力によって配分している」として、道路利権排除のためにも一般財源化が必要と訴えた。
 これに対し、東国原知事は「雇用創出のために県外の企業に来てもらうには、交通基盤の整備が必要だ」と強調。暫定税率に関しても「廃止して従来の道路整備水準を維持しようとすれば、福祉求めた。
 討論会には全国知事会の麻生渡会長(福岡県知事)と、同党の逢坂誠二衆院議員(前北海道ニセコ町長)も出席。道路財源問題で民主党は、党の主張を広く国民に訴えるため、国会論戦と並行して道路事業の無駄をあぶりだす現地調査など国会外の活動にも力を入れている。今回の討論会もそうした活動の一環。


民主党が主語で道路特定財源の一般財源化についての討論会の記事です。この討論の中で暫定税率の存廃について東国原知事が、菅代表代行に決定的な一言を言いました。それは「民主党は納得できる対案を出して下さい」という一言です。
実はこの一言は福田首相も予算委員会の質疑で発しているのですが、対案を明らかにするというのは民主党にとっては両刃の剣なのです。
2年半前のいわゆる「郵政解散」の総選挙の時、民主党はイケイケドンドンの勢いで、公示日を迎えました。この時に自民党の郵政完全民営化案に対し、対案なく選挙戦に突入した民主党は、遅まきながら郵政法案の対案を公表しました。この対案があろうことか自民党案と大して変わらぬ内容、民主党の斬新な対案を期待した有権者は肩透かしを食った形になり、選挙結果は与党の完勝となったのです。
今回の暫定税率廃止についても、民主党は対案を出せずにいます。民主党系と言われる各知事ですら継続支持を表明している上、前回総選挙の対案提示による惨敗が、民主党のトラウマになっていることは明らかでしょう。
確かに車を利用している人達にとっては、暫定税率廃止はありがたいことですが、道路網の充実も、やはり必要なことであるのは間違いありません。
また、民主党が対案を出すとすれば、新税の創設か、消費税率のアップくらいしか考えられません。車を利用する人が対象となるガソリン税を安くするか、国民全体が負担させられる消費税や新税かの選択となった時に、有権者はどちらを選ぶのでしょうか。国会の今後の動向が注目されます。