金曜日の日経225先物日中は木曜日のナイトセッションが若干下げて終わったことで27,610円でスタート、直後09:30に27,460円まで売られましたがその後反発して27,640円で引けました。ナイトセッションは27,650円でスタート後ジャクソンホールシンポジウムまでは動かずでしたが
、パウエル議長のハト派的スピーチ以降は買われ04:15に27,870円の高値をつけ27,860円で引けました。
金曜日のアジア・太平洋株はジャクソンホール会合前で方向感なく引けました。日経平均は0.4%マイナス、Topixは0.3%マイナスで引けました、マザーズは0.3%マイナスとなりました。中国上海/深センCSI300は人民銀行が7か月ぶりとなる大幅な資金供給を行ったとの報道で0.5%プラス、香港ハンセン指数は変わらずでした。史上最高値から反落していたオーストラリアはASX200は変わらずで終了、二ュージーランドNZX50種グロス指数は0.1%プラスで史上最高値に近づいています。インドのセンセックス指数は0.2%プラスで史上最高値を更新しています。
金曜日のヨーロッパ株は前日と同レベルで始まりましたがジャクソンホール以降は買われました。ドイツDAXは0.4%マイナス、フランスCACは0.2%プラスでした。英国のFTSEは0.3%プラスで引けています。スペインIBEXは0.3%プラス、史上最高値近辺で取引されているスイスSMI指数は0.2%プラスで引けています。一方米国株はジャクソンホールシンポジウムでパウエル議長がテーパリングは今年始めるかもしれないが利上げには相当時間がかかると示唆したことで株価は買われて引けています。S&Pとナスダックは史上最高値を更新しました。ダウは0.7%プラス、S&P500は0.9%プラス、ナスダックは1.2%プラスで引けています。ラッセル2000指数は2.9%プラスとなりました。カナダのS&Pトロント総合指数は0.7%プラスで史上最高値を更新しました。ブラジルのボべスパ指数は1.6%プラスでした。VIX指数(恐怖指数)は2.45ポイント下落して引けは16.40でした。
金曜日の米ドルはジャクソンホールシンポジウム以降急激に売られ前日から一転して断トツの最弱通貨となりました。ドルインデックスは93.043から92.682へと反落しています。勝ち組で豪ドルが最強通貨となりましたが、それに続いたのがキウィドルとスイスフランでした。カナダドルは終日横ばいでした。負け組ではドルに続いて弱かったのが円で、それにユーロとポンドが続きました。ドル円は金曜日の22:00に110.265円の安値をつけ、土曜日の109.780円の安値をつけました。クロス円では円は米ドルに続く負け組だったのですべて上昇しています。ドル円の方向感がここ2週間くらい出ませんでしたが、先週後半の値動きでドル円は中長期的な円安トレンドに入ったかもしれません。ただし、金曜日の下げは調整の下げと思われます。新興国通貨ではトルコリラ円は13.15円と2か月ぶりの高値に達しています。対ドルでは米ドルが売られたのでインドネシアルピア以外は上昇しています。
ドルインデックスは反落しましたが、サイクル的には8/22‐9/1の底値圏に向かった値動きのようです。今週はもう少し下値を追うかもしれませんが、今週央までにはいったんの底打ちをして8/31‐9/8の天井圏に向かって反騰すると思われます。ドル円は金曜日の値幅は51.5ピップスとまあまあでした。ドル円の動きは日米金利差の要因も大きいと思われますが、金曜日の米10年金利と日本10年金利差は前日の1.3370%から1.2890%へと反落しました。一方、ドル円も反落していますので、日米長期金利差に順じた値動きとなりました。最近ドル円と日米金利差の相関が再び強くなってきています。ドル円は先週の値動きで方向感が出始めたかもしれません。中長期的にはここから上昇すると考えられます。ただし、8/20‐30の天井圏が終了したので今週初は8/25-9/1の底値圏に向かった下げがあり、週の後半からは次の8/31-9/9の天井圏に向かって反騰することになるでしょう。
米国10年金利は前日の1.3530%から1.3100%へと反落しました。タイムサイクル的には8/27‐9/6の天井圏に向かった動きがまだ終了していないので今週の10年金利は再び上値を追うと思われます。その他先進国の10年金利はニュージーランドと日本は上昇しましたが他はすべて下落しています。日本の10年金利は0.016%から0.021%へと上昇しました。米国2年金利は0.2430%から0.2170%へと急落しました。米国の10年金利と2年金利差は前日の1.1100%から1.0930%へ急落しました。また金曜日の短期金利(3か月物)は高値0.065%、安値0.050%、引け値は0.050%と横ばいでした。3か月物は最近切り上げ気味です。長期金利は下がっていますのでイールドカーブはフラット化しています。
金曜日のメタル市場では、米ドルが大きく下がったので金は大きく上昇しました。引け値は前日の1795.2ドルから1820.5ドルへと急騰しています。重要なレジスタンスであった200日移動平均を超えて引けましたので、さらに上昇すると思われます。サイクル的には8/22-30の底値圏あが終了して次の8/27-9/7の天井圏に向かって上昇し始めたように見えます。エリオット的には8/9に下げのc波が終了して現在上昇d波にいるようです。日足ベースで拡大斜行三角形パターンになりそうです。プラチナは975.5ドルから1006.5ドルへと大きく反騰しました。金プラチナのスプレッドは819.7ドルから814.0ドルへと少し反落しています。このスプレッドは昨年11月から縮小後、4月頭から反転拡大し続けています。銀は直近の高値(5/18の28.9ドル)から大きく下落中ですが、金曜日の引け値は23.550ドルから24.030ドルへと反発しています。
工業メタルである銅は5/10に史上最高値4.888ドルを記録後続落しています。金曜日は1ポンドあたり4.3250ドルへと大きく反発しました。8/24-9/2の天井圏に向かっています。銅も拡大斜行三角形を形成しそうです。銅の強さは銅の使用が大幅増となるEV市場の拡大と太陽光建設の拡大で銅需要が急拡大していたためと考えられていますが、中国当局のコモディティ規制が強化されて陰りが出てきています。
インフレヘッジ機能としては金か仮想通貨か?という2者択一の議論がありますが、直近になって金の上昇が進み、仮想通貨も上昇しています。
仮想通貨のうちビットコインは先週末に急騰、8/23に50,562ドルの高値を付けましたが現在は48,000ドル台後半で取引されています。RSIとの間にダイバージェンス出続けているのでピークになった可能性が高いと思われますが、依然として底堅くまだ下げがコンファームする動きとはなっていません。49,000ドルを挟んで取引さえています。一方、イーサリアムもビットコインに連れて急落後戻しています。7月から続騰中ですが、8/23に3,378ドルの高値を更新しています。現在も最高値近辺で3,200ドル台で取引されています。(イーサリアム÷ビットコイン)=0.05の比率が0.1くらいまで拡大するのではないかと市場では話題になっているようで、ビットコイン売りイーサリアム買いが続いていて一時0.082まで拡大してきましたが、直近では0.066へと膠着気味です。リップルも他仮想通貨同様4/14に高値1.9637ドルから55%の大暴落してダブルボトムを形成していますが、その後続騰して1.3ドル台まで上昇してきていましたが現在は1.1ドル台ミドルで取引されています。
WTI原油価格はドル安とEIAの在庫減を好感して67.42ドルから68.74ドルへと急騰しました。先週水曜日に発表されたEIA(米国エネルギー情報局)の8/20ベースの原油と石油製品在庫については、原油は予想268.3万バレル減から297.9万バレル減と減少幅は予想を越えました。また前週の323.4万バレル減よりも減少幅は減っていました。ガソリンは予想155.7万バレル減に対し224.2万バレル減と予想よりも大きな在庫減となりました。また前週の69.6万バレル増よりも大幅に在庫減となった形です。暖房油などのその他石油製品については27.1万バレル減の予想に対し54.5万バレル増と予想と違って在庫増となりました。前週の269.7万バレル減よりも大幅な在庫増となったことになります。また先週水曜日の早朝に発表されたAPI(American Petroleum Institute、アメリカ石油協会)の8/20ベースの原油在庫は、市場の予測は236.7万バレルの減少でしたが実際は162.2万バレル減と予想よりも若干在庫の減少幅が小さく出ました。ただ前週(116.3万バレル減)よりは在庫減少幅が拡大しています。金曜日の原油価格は2.0%の上昇となりましたが、ガソリンは1.2%プラス、暖房油価格も1.2%プラスとなりました。一方、天然ガスは4.9%プラスと2018年12月以来の高さに達しています。
その他コモディティではCRBインデックスは1.3%プラスで、最近付けた2015年7月以来の高さまで近づいてきています。昨年の4月から2.4倍にも値上がりしているトウモロコシは今年5月の高値から29%下落していますが、金曜日は1.0%プラスでした。2016年から2倍になっている小麦は、今年8月以来の高みから下落基調が続いていますが金曜日は0.9%マイナスとなりました。大豆価格は昨年4月から2倍になっていますが、今年5月から反落中です。昨年の12月以来の安値まで下がってきていましたが、金曜日は0.2%マイナスでした。コーヒー豆は2019年5月から2.5倍もの上昇をしていましたが、7/26にピークを付けて以来20%ほど反落していますが再び強含んできています。金曜日は2.2%プラスでした。ココアは1.6%マイナスでした。昨年4月から2倍以上になっていた砂糖は金曜日は1.8%プラスでした。2017年2月以来の高値近辺から反落気味でしたが再び高値をトライ中です。
一方木材は昨年4月から6.5倍もの値上がりが今年の5月まで続いていましたが、その時の高値から73%もの下落が進行中です。金曜日は0.6%マイナスでした。鉄鉱石は中国からの輸入が減っていることで5月の高値から30%ほど下落していましたが、9か月ぶりの安さからリバウンドしました。金曜日は0.5%プラスでした。また石炭は昨年8月から2.6倍に値上がりしていますが、金曜日は変わらずでした。バッテリー用のリチウムは変わらず、コバルトは変わらず、ニッケルは直近の高値で安定していますが、金曜日は1.3%プラスとなっています。原材料価格の上昇はコストプッシュインフレの悪いインフレ材料につながる可能性がありますが、需要はどこからくるのか?中国での自然災害による農産物の不作と大雨によるダム決壊を防ぐための大放流で農地被害が急拡大している現況で今後も中国による食料輸入の急増は避けられないかもしれません。
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昨日のYOUTUBE動画は日経225とポンド円です。