Zeep | 小川充オフィシャルブログ

Zeep

「Hot Fun In The Summertime」という曲を御存知でしょうか?

Sly & The Family Stoneのヒット曲で

彼らが69年の8月、ウッドストックに出演した直後

その年の暑く長い夏と

熱狂的だった聴衆に捧げて作られたナンバーです。

そして、僕にとって夏になると真っ先に思い浮かぶナンバーなのです。


さて今年の夏は?

と言うことで、唐突ですが

これから夏に向かう今シーズンのオススメ音楽を紹介したいと思います。

ちょっとこじつけ気味ですが、何のことはなく

ここのところCDやレコード紹介を全然してなかったので

改めてまとめてと思った次第です。


まず、Zeep。

これはDa LataのChris Franck

Somke CityのNina Mirandaによるユニットで

以前、Chris & Nina名義で「Mash Bananas」を

Especialから出してました。

今回はバンド形式でFar Outからのリリースです。

レーベル資料ではThe Beatles、Led Zeppelin、The Meters、Joni Mitchelleが

ブラジルでセッションしたようなユニットと形容してます。


Zeep
Nina Miranda & Chris Franck...


7インチ・カットされた「Super」は

Antonio Carlos & Jocafiのナンバーで

Os 3 Moraisのヴァージョンでも有名な

サンバ・ロックのカヴァー。

60年代末、ブラジルに巻き起こったトロピカリズモ

(ブラジル音楽にロック、サイケ、フォークなどを融合した音楽運動で

Caetano Veloso、Gilberto Gil、Gal Costa、Mutantesなどが代表)

そんな雰囲気を伝えるナンバーです。

Chrisの弾くエレキ・ギターがギンギンの

まさにサイケ・ロックです。


こう書くとすごくレトロでノスタルジックな感じですが

決してそんなことはなく

有無を言わせぬパワーと

ブラジル音楽特有のポップさが詰まった

そんなタイムレスなナンバーなのです。

音の分厚さも物凄く

実際クラブでかけてもバッチリとハマるのです。

2007年の夏のナンバーはこれで決まりでしょう。


ブラジル音楽と言うと

どうしてもしっとりとしたボサノヴァ

またはドンチャカと陽気なカーニヴァル・サンバ

そんなイメージで考える人が多いのですが

でも、一方でこうしたロック・ナンバーも

ブラジル音楽の多様性を語るものとして

忘れてはならないと思っています。


アルバムには他にもいい曲が一杯です。

ラヴリーでポップな「Funny Old Song」「Baby」「Keep An Eye On Love」

瑞々しいフォーキー・サンバの「Agua」「Come With Me」

エキゾティックなサンバ・フュージョン「Zeep Dream」

トラッドやフォークロアの要素も垣間見せる「Sem Parar」「Have You Ever」

ギターの爪弾きとヴォイスのみで綴られるガラス細工のように美しい「Nature」

どれもピュアで

音楽をやる歓びに溢れたものばかりです。


子供の声を混ぜたスキット的な小曲もあり

アルバムに同封されたブックレットには

子供の写真も数多くあります。

大人が童心に帰り

子供と一緒になって

子供のために作った

そんな音楽のような気がします。


個人的にも、今はフォーキーなものと波長があってきていて

そしてブラジル音楽はずっと好きなものなので

このZeepのアルバムはそんな僕にドンピシャでした。


と、他にも数枚紹介しようと思ってたのですが

Zeepの紹介だけでかなり費やしてしまったので

後はまた改めてと思います。