アルト・サックスのハシゴ <その1> | 小川充オフィシャルブログ

アルト・サックスのハシゴ <その1>

ここのところ忙しくて

なかなかブログが更新できません。

すみません。

でも、これだけは書かないと

ということで、

2/5に行ったライヴの模様を。


まず、丸の内のコットン・クラブでGary Bartz。

初日の1stステージで、

19:00開演でした。

アルト&ソプラノ・サックスのBartzを中心とするカルテット編成プラス、

ヴァイブの神童と評される若手注目プレーヤー

Stefon Harrisが加わった5人でのステージ。


いきなりメンバーがマスカレードをしての登場で、

Bartzがマスカレードを外すと、

その下にはさらに小さなマスカレードが。

なかなか笑わせてくれます。


1曲目「Nommo」では

最初はアルトを吹かず、

まず歌から。

レイジーなブルースで、

上手くはないんだけど

飄々と歌うBartzの歌って

何とも言えない味があります。


1940年生まれだから

今67才ということになるのですが

全然そんな風には見えないです。

ちょい悪オヤジってのは

こういう人のことを言うんだろうな~。


で、そんなリラックス・ムードで始まったのですが、

2曲目「Soulstice」からは

さすがアルトのColtraneと言われた

熱いモーダル・ジャズを披露。

ラテン・タッチの曲もやってて

これは「Mae Velha」というナンバーらしい。

この辺りの曲は最近のアルバムから演奏しているようですが

どれもいい。

昔の旧譜ばかりで、

最近のGary Bartzのアルバムは

全然チェックしていなかったので

これは早速探さないとという感じです。

(でも、OYOという自主レーベルからのリリースで

どうやら日本のサイトでは売っていない模様・・・)


静かなバラード風の出だしから、

激情のアフロ・ジャズへと展開する「Ogunde」などは

その静と動の対比が素晴らしく

今も現役バリバリのプレーヤーであることを

改めて印象づけてくれました。

この年になると

スタンダードばっかりやって

半分隠居してるんだかよく分からない

お爺さんプレーヤーが多いのですが

やっぱBartzは違った。


ヴァイブのStefon Harrisは、

Wynton Marsalisの楽団出身で

ブルーノートからもリーダー作を出しているプレーヤー。

Bobby Hutchersonに近い新主流派タイプかも知れないですが

音色はもっと明るくて肉感的。

よりバピッシュな演奏で、

何と言ってもとてもエネルギッシュでフレッシュ。

現在34才ということなので

今後ますます楽しみなプレーヤーの1人です。

昨年10月に新作を出してるそうなので

これも早速チェックせねばです。


あと、気になったのはピアノのBarney McCall。

白人で、ちょっと見Paul McCartney風。

オーストラリア出身で

現在はNY在住の31才。

最近のBartzのアルバムで

ずっと弾いているプレーヤーです。

今回もほとんど楽譜を見ずにプレイしてました。

アコースティック・ピアノとフェンダー・ローズを弾き分け、

モーダルなプレイから

ソウルフルな演奏まで

幅広く出来る人のようです。


色々なプレーヤーとも共演していて

Bartz以外だと

Kenny Garrett

Andy Bey

Billy Harper

Roy Ayers

等とやってるそう。

皆、僕の好きな人達ばかりじゃないですか。


ヴェテランばかりじゃなく

Kurt Rosenwinkel

Charlie Hunter

N’dea Davenport

等ともやっていて

あのGroove Collectiveに参加してたことも。

今回一緒に来たStefon Harrisともやってたことがあるそうです。
こりゃ、どうりでいいわけです。


それと、作曲家としても才能がある人のようで

Robert De Niro主演の映画『Hide And Seek』の

サントラも手掛けたそうですよ。

リーダー作も数枚出してるようで

益々要チェックな人物です。


そんなこんなで、

約1時間半のステージは終了して20:30。

でも、今日はゆっくりしてられません。

というのは、この次に南青山のブルーノートで

もう1つ別の公演があるからです。


クラブのハシゴはしょっちゅうですが、

ジャズ・クラブのハシゴはあまり経験が無いですね。

しかも、この後は

Bartzと同じアルト奏者で

やはりコルトレーンの強い影響を受けた

Kenny Garrettです。

しかも、両者ともMilesのバンドにも在籍してたのです。

何だか奇遇ですね。

この夜はさしずめ

アルト・サックスのハシゴでしょうか。

さらに、前述のBarney McCallは

Garrettとともやったことがあると言うし・・・。


Kenny Garrettの公演の模様は

このブログの

アルト・サックスのハシゴ <その2>で紹介します。


さて、最後に気になったことを1つ。

70年代のBartzって

バリバリのアフロ・ヘアにヒゲで

もう本当に黒人中の黒人って感じだったのですが

この日観たBartzは

ずっと帽子を被ってて

顔全体がよく見えなかったせいもありますが

やけに白っぽく見えたのです。

赤く酒焼けした白人のオッサンみたいな感じで。

あれ、もっと黒かったのではと思ったのですが、

どうなんでしょうか・・・。

まさかMichael Jacksonみたいに

脱色してるなんてことないですよね?