TCJF2006開幕~閉幕、そしてThank You | 小川充オフィシャルブログ

TCJF2006開幕~閉幕、そしてThank You

『TOKYO CROSSOVER/JAZZ FESTIVAL 2006』

無事に終了しました。

昨夜22:00に始まって、

朝は大幅に時間をオーバーして6:00過ぎ。

長丁場でしたが、何かあっという間の一夜で、

最後は、もう終わってしまうの?

という感じでした。


今回の個人的な目玉はKoopですが、

これは本当に良かったです。

前回の来日公演は見れなくて、

でも見た人の話によるとイマイチだったらしい。

レコードはいいんだけど、ステージは、演奏は…

という典型的なアーティストのようだったそうです。

なので、今回もあまり期待出来ないかもよ

という話は周囲からも漏れ聞こえてきてはいました。


で、今日のステージ。

スモール・コンボの編成で、

もちろんヴォーカルはYukimi Nagano。

Koopの2人はキーボードに、サンプラーでストリングスやホーンを加える。

大人しいオーソドックスな演奏を想像しがちだが、

これがとてもエネルギッシュでダイナミックな迫力を感じさせるもの。

ミュージシャンの演奏能力もとても高く、

レコードで聴くより更に、バンドとしての完成度に磨きが掛かった感じ。

ヴァイブの人が特に凄かったです。

かなりのオーバーアクションで、

でもそれは全盛期のDave Pikeのようなカッコよさ。

ヴァイブって打楽器なんだな~と思いました。


「Summer Sun」ではレコードには無いようなドラム・ソロもあり、

その間ベーシストはダブルベースをくるくる回す技も披露。

そんな感じでステージ・パフォーマンスでも観せてくれ、

いい意味でのエンターテイメントとしてのジャズの楽しさを

感じさせてくれるステージでした。


Sleep Walkerのステージでは、

YukimiとBembe Segueが加わり、

Yukimiが歌う新曲「Wind」も披露。

Mark De Clive-Loweの重低音ビリビリのステージは相変わらずヤバく、

Cro-Magnonのディスコ・ダブからジャズ・サンバまで持っていく

振れ幅の広いステージも面白かった。


DJもPirahnaheadのいい意味で想像を超えた

エモーショナルなプレイは良かったし、

Divinitiの歌も圧倒的な存在感を見せていた。

Karmaの敢えてレコードとは違う世界を演出した

テクノ系のプレイも印象的。

(でもテクノという要素も彼等の中では大きなものの一つなのですよ)

もちろん、JazzanovaのJurgenは、

相変わらずコレって何というような

新鮮な曲を連発していて流石でした。


僕のプレイしたWater Barは、

プールのあるオープンデッキに面しているので

ちょっと寒いと言えば寒いのですが、

でもお客さんはここでも大いに盛り上がっていて、

とてもホットな空間になってました。

僕の前にプレイしたNote Nativeの田尻君

僕の後にプレイしたJoyride、そして福富さんと

夫々が自分のカラーを出したプレイで

皆いいヴァイブを放っていたのでした。


僕は前に告知したように

『Spiritual Jazz Set』でプレイ。

旧譜のレコードばかりで

敢えてアナログの温もりを感じてもらえるような

そんなセットにしてみました。

それと、PeacefulでFreedomなメッセージ性を持つ曲を選び

このTCJFの意味を自分なりに表現してみたつもりです。


DJについて思ったのは

Island BarでやっていたBreakthroughにしてもそうですが、

普段通りの自分たちのプレイで

いわゆる営業スタイルでDJをやっている人が誰もいなかったこと。

ArenaでプレイしたSoilの社長やJazztronikの野崎君、DJ Kawasakiなどは

皆30分という短い時間制限の中、

いかに自分のカラーを出すかに集中してたように思います。


こうした大箱の場合はとかく営業しがちな人が多いのですが、

でもそんなことはせずに、

普段の自分の色を出し、

そしてお客さんもそれを楽しんでいるように

僕の目には映りました。


おそらく来ていたお客さんの中には

クロスオーヴァーって? クラブ・ジャズって?

と言うような人も多かったのではないかと思います。

そういった人に対して本物の姿を見せてあげ、

きちんと回答してあげるのが、

今回のフェスティヴァルの一つの目的であると思うのです。

で、結果的に最後の最後までフロア一杯のお客さんが残ってくれたことは

そうした出演者の想いが伝わったからではないかと思います。


Koopのグループ名の意味は

協力ということです。

今回のTCJFは出演者、そしてスタッフや裏方さん含め、

全ての人達が心を一つにして協力しあう、

そんな協力で成り立ったイべントではないかと思います。

そして、その中心に沖野修也さんがいたわけです。


今回大トリのKyoto Jazz Massiveのライヴ・セットには

修也さんの姿が無く、

あれっ、どうしたのかなと思ったところ、

最後にスペシャル・ゲストとして(笑)登場。

そしてVanessa FreemanとTasitaを交え、

『United Legends』1曲目の「Thank You」を生でやったのでした。


そして、イベントが終了して

楽屋に全出演者とスタッフが揃い

シャンパンで乾杯 !

ここでも沖野修也さんは「Thank You」、そして「ありがとう」と。


考えてみれば僕もこの日、

色んな人から「Thank You」、「ありがとう」を言われたり、

また逆に僕の方からも言ったりしたのでした。

もちろん、ステージでは出演者から

一杯来ていたお客さんに対する「Thank You」と、

来ていたお客さんは恐らく

心の中で沖野さんやパフォーマー、DJたちに

「Thank You」と言ってたのではないでしょうか。

全て「Thank You」ずくめのイベントだった訳です。


改めて、「Thank You」の意味、

その言葉の素晴らしさを感じたTCJF2006でした。