the SHAPE of JAZZ to COME@ageHa | 小川充オフィシャルブログ

the SHAPE of JAZZ to COME@ageHa

昨日は昼間、
Jazztronikの野崎君のFM番組
『JAZZIN' THE NIGHT』に出演・収録をしてきました。

ゲストにはオルケスタ・デ・ラ・ルスの設立メンバーの一人で、
現在は熱帯ジャズ楽団のリーダーとして活躍中の
カルロス菅野さんもいらっしゃって、
ラテン話に花を咲かせてきました。

カルロスさんは本場NYのラテン・シーンを体験してきた人なので、
その話にも説得力があって面白い。
昔のNYのスパニッシュ・ハーレムの
裏社会の危ない話なども聞けて
とても楽しかったです。

ラテン音楽は僕の好きなジャンルの一つでもあるので
いつかラテンの本も出せればいいなと思っているのですが、
でも僕の知識はまだまだなので
カルロスさんのような方のお話を聞いて、
もっと勉強せねばと。

で、急遽の出演だった為、
レコードやCDも持たずに手ぶらで行ったのですが、
結局何か曲を紹介というハメに。
野崎君が持ってきてたレコードを色々見せてもらって、
Airtoの“Mixing”とDonald Byrdの“Xibaba”をピックアップ。
人のレコードを借りて選曲するってのも妙な感じですね。

その後、家に戻ってレコード選びをして
いざageHaへ。
先日告知した『the SHAPE of JAZZ to COME』に出演です。
20:00には楽屋入りしたのですが、
既にスペシャル・シークレットDJとして来ていた
DJ MITSU THE BEATSがセットを終えたところ。

会場内をぐるっと一回りしてみるのですが、
いつものクラブ・イベントと違い、
結構年配のお客さんが多い。
やっぱりJoshua Redmanとか菊地雅章とか
普段はジャズのライヴ・ハウスやコンサート・ホールでしか
見れないアーティストが出演しているからでしょう。
もちろん若いお客さん、女性客も多く、
そうした意味では色んな客層が来てたのではないでしょうか。

僕の前は藤原大輔さんのライヴだったのですが、
もう完全にテクノをやっててお客さんもノリノリで踊ってました。
それで、あ、ジャズとは言っても
テクノでも何でもありなんだと。

最初オファーを受けた時は、
生音のジャズをかけてラウンジっぽく聴かせればいいのかなと、
又はそうしたものを求められてるのかなと思ってました。
ただ、僕の出演するステージはライヴにしてもDJにしても
割と生音ジャズの人が多いので、
そっち方面ばかりになるのもバランスが良くないから、
小林径さんからは
別にジャズにこだわらずに色々かけてもらってもいいよ
と話をいただいてました。

で、実際に蓋を開けてみないと
どういった雰囲気になるのか読めない部分もあったので
モダン・ジャズからフュージョン、
ハウスからブロークンビーツと
色々多目にレコードを持ってきたのですが
結局普段クラブでやってるような踊らせる選曲になりました。

藤原大輔さんのステージが予定より早く終わってしまい、
急遽早目にDJをスタートすることに。
僕がステージに行った時は、
何も音の無い素の状態となってて焦ったのですが、
まあ、こうしたハプニングは大きなイベントの場合は付き物ですけどね。

前のDJからバトンタッチして繋ぐのではなく
バンドの合間にやるDJだと、
しかもこの日のように素になってお客さんも引いてしまった後だと、
一旦前の世界をリセットして
ゼロのところから自分の世界を作っていけるので
それはそれで、やりがいがあるものです。

ロービートのアンビエントな曲から、
ヒップホップ系ビートの曲、
そして徐々にビルド・アップして
アップリフティングなハウスやテック・サウンドにもっていったのですが、
最初はまばらになってしまってたお客さんも
徐々にステージに戻ってきてくれて、
そしていつしか満杯に。
いい感じで踊ってくれてました。

次の菊池成孔さんのバンドのセッティングに時間が掛かっていたので
予定より若干長目にプレイして無事終了。

あとは他のステージを色々楽しもうということで、
最後のquasimodeが終わる朝6:00頃まで
ずっとageHaに残ってました。

どのライヴやDJも、
各々の個性が出たものとなっていて良かったのですが
Nicola Conteバンド
Soil & "Pimp" Sessions
Joshua Redman
菊地成孔バンド
が特に盛り上がってましたね。
SoilとNicolaがやってる頃は、
会場もギュウギュウ状態で、
一番のピークでしたね。

Joshua Redmanのバンドは
ベーシスト無しのトリオで
でも無茶苦茶太くてファンクネス溢れるサウンド。
こうした若い人も来るクラブ系イベントということで
よりダンサブルな演奏を意識していたようで、
実際、恐らくJoshuaを聴いたことのないような人までも踊ってました。

そしてDJではやはりGilles Peterson。
アリーナの大きなステージで、
DJブースはフロアから離れた高いところにあるのですが、
でもお客さんの意識を一手に集中させ、
うまくコントロールしていくところは
まさに司祭者。

と、大盛況の内に無事
『the SHAPE of JAZZ to COME』は終了しました。
総合プロデュースをした小林径さん
どうもお疲れ様でした。

こうした複合型イベントのいいところは、
自分のお目当てのバンドやDJを見に行って、
でもそのお目当てじゃないアーティストのサウンドも聴いて、
あ、これもいいな、面白いなと思う機会がある点です。

今回の場合だと、
恐らく菊地成孔さんのファンと
渋さ知らズオーケストラと
Soilやquasimodeのファンは
かなりかけ離れたところにあるはず。
また須永辰緒さんやNicola Conteのファンと
Moodymannやchari chariのファンも被らないでしょう。

でも、そうした普段のクラブ・イベントでは交わることのない線が、
一夜限りではありますが、交わった
そんなイベントだったのではないでしょうか。

そして、remixの小泉さんとも話をしていたのですが、
こうしたイベントは継続して続けていくことが重要だと同時に、
これをきっかに
もっとクラブ・ジャズとメインストリームのジャズ・シーンの垣根を取っ払う
そんなフェスティバルが増えればいいなと思いました。