カーライルに来たのは17年前。
初めてカーライルで勤めた会社で一緒になった友人が2人いる。
一人は今も毎月会って互いの仕事の話をする仲であるが、もう一人はコロナ前辺りから疎遠になってしまった。

とは言え、互いの勤務先を訪れて見かけたら立ち話したり、義母が亡くなったのを知った時はロックダウン中であったが、花を届けてくれたりした。
疎遠にはなったが、私には忘れられない恩がある。
初めての妊娠出産、全ての準備をこの友人がしてくれた。
彼女は私の出産から6週後に3人目を出産、しかし私が孤独にならぬよう、とにかく毎週うちに来てくれ私にとってはベテランママさんだけに心強い存在であった。
友人の旦那さんもまた良い人で、私が二段ベッドを探していたら、友人夫婦から不要のをもらい受け、うちに設置しに来てくれたりして、家族ぐるみの付き合いがあった。

ところが、義母が亡くなった時に花を届けてくれた中にお悔やみのカードが入っていたのであるが、そのカードに旦那さんの名前がなかった。
通常、必ず夫婦と子供の名前がある。
なのに無い。
どうしたのか…と思ったが、疎遠になっていたし聞いてはいけないと思った。

で先日、私の新しい勤務先の店舗の入口で立っていたら、その疎遠になっている友人が私を見つけた。
前の職場を辞めたのも知らせていなかったから、友人は驚き、しばらく立ち話をした。
友人から、6年前に正式に離婚した事、新しい彼氏と一番下の子供とで暮らしていること、2年前に実父が癌になったことなど話してくれた。

6年前に離婚が成立したということは、疎遠になり始めた頃に関係が難しくなっていったのだろうと推測できる。
ホームパーティーが大好きな夫婦には常に来客があり、私達も何度も彼女夫婦や親戚にも会っている。
コロナ前には友人のお父さんが私の店に来たりもしたが、そんな事は全く知らなかった。

友人は「私達が離婚したなんてビックリでしょう❗」と笑った。
しかし「やっぱり、親の勘は当たるわね」と大笑いした。

親の勘…とは、友人が23歳で結婚する時、友人の亡き母親から「あの人は良い人でも、その両親があれほどの人嫌いで変わり者であるならば、その二人に育てられた子供は必ず私達のような常に人に溢れた大家族との繋がりに違和感と嫌悪感を抱くようになる。これは私が生きてきた経験でしか言えないけど、家庭環境のあまりの違いは必ず歪みとなり、いずれ出てくる」と言った。
友人は「彼は大丈夫。そんな変わり者の親を嫌っているし、あんな風にはなりたくないと言っているから」と結婚した。

かつて私は2度、旦那さんの両親に会ったことがある。
友人の母の葬儀の時と、三人目の子の教会における儀式の時であるが、とにかく不機嫌で不満を吐きまくり、葬儀なのにシャツをはだけて胸を見せる格好であったり、変わり者だと聞いてはいたが、相当なものだとわかった。

友人は「30年一緒にいて、結局あの親にしてあの息子」
だと分かったのだと言った。
親の勘…
不思議なる透視力なり。
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