先日、子供の空手教室の試験があった。
子供のクラスは普段、大人クラスで一番段の高い先生が教えてくれるのであるが、年1の試験の時だけは教室のオーナーでもある一番偉い先生がやってくれる。

この先生は謎が多く、30年以上この先生に習っている方も大人クラスには結構おられるが、誰も先生の事はよく知らない。
とは言え、うちの旦那は40歳を過ぎて空手を始めたが、休まず週三回必ず通って来た事もあり、この先生にとても可愛がって頂いている。
そんな流れもあり、旦那は割りと先生に色々聞いたりしており、お弟子さんより知っていることもある。

先生のお父様がイスラエルの資産家で、イギリスに来たらしいこと。
先生はオックスフォード大学を出て、それから武道の旅に出かけたこと。
中国、チベット、ミャンマー…もちろん沖縄…イギリスに戻ったのは30歳過ぎたくらいであったこと。
空手だけでなく、数年前までヨガや太極拳も教えていたこと、また本職は催眠療法でトラウマなどを治療する人であること、イスラエル軍特殊訓練技術も習得している為、たまに片腕だけで相手を殺す練習がある。
ロンドン、エディンバラ、グラスゴー、カーライルにいくつかのビルを持ち、オーストラリアに空手教室もあるが働いた事は無く、武道を広めたい気持ちが結果的に収入になったものの、これでお金儲けするつもりはないからと、お金の無い人から月謝は取らない。
私の家から真っ直ぐ行った先にある、高級住宅地に一人で住んでおり、過去4人いた妻との間にできた子供は誰も武道をやっていないらしい。
通いのお手伝いさん2人と庭師さんも空手にたまに来る。

そのおじいちゃん先生が日頃は大人クラスしか教えないのであるが、試験だけ来るのである。
試験の最後、正座→黙想の際、相変わらずうちの旦那は正座が出来ず、ふと見ると一番偉い先生も正座できなかった。
私がそれに気づいたのを偉い先生が気づいたのか、試験終わりに私が日本語で「先生ありがとうございます」と言うと先生が「正座は昔は出来ていたんですよ。今は膝が痛くて出来なくなりました。あなたから見たら、あなたの夫を含めここの人が空手をやっていながら正座が出来ないのは良くない事だ。本来ならもっと正座の練習をさせねばならないと、今日あなたが1時間正座をしているのを見て反省しました。良いものを見せて頂きありがとう」と言った。

私の世代は和式トイレ世代で、葬儀だって正座だった。
小さな頃から正座をしてきたからできるが、旦那を見ていると大人になってから正座をするのは無理に近い。
以上に体が固いから、そのせいもあるが…
人気ブログランキングへ