豪州に住む夫の兄嫁から荷物が来た。
嫁から・・?
青酸カリちゃうやろな・・

夫が帰宅するまで放置しておいた。
何が入っているか見たくもない。
夫が帰宅し開けてみると、中からまあまあ大きなキャンドルが出て来た。
キャンドルには「再び共に・・」というメッセージが入ってあった。

「意味分からん・・・」と言った私に、夫は「あの世で夫婦が再び一緒になれた記念にと、キャンドルを100個作ったらしいわ。それを自分の家だけでなく、友人や知人に配ってるらしく、うちにもと送って来た」との事だった。

「記念」は誰が喜ぶ記念なのか・・
良かったね、あの世で亡き夫に会えて良かったね、せやからこっちで記念のキャンドル作りましたので・・ということか?
解釈は人それぞれであるから、それを「とても良い案」と思える人もいるであろう。
少なくとも、嫁はこれを記念品として作る事で嫁なりの出来る供養の仕方なのかと思う。
供養という認識は無いと思うが、その記念品を作る事で故人を偲ぶという意味なのだと理解に努める。

あの世で再び亡き夫に会えて良かったと思う程に義母を想うならば、何故1度でも義母に電話をしてやらなかったかと思う。
同じ言語を話す豪州人なら、電話で会話に困る事もないであろう。
私はそこが偽善に思えて仕方ない。
キャンドルをバラまく事で、義母を亡くした悲しみを演じる嫁として見て欲しいという女の狙いが女の私には見えてしまう。

もう義母の持っていた何をも欲しいと思う物欲が夫にも私にも無い。
ただただ良かった、あの痛みと孤独から解放されて良かったと、日ごとそう思う。
あの痛みに歪んだ顔を7年もの間、毎日毎日見て尚、その痛みと孤独から義母を救えなかったと後悔する夫。
傍で見ていて辛い。

義母さん、このキャンドルどないしましょか・・・思わず写真の義母に笑って問う。
49日後に燃やしましょか?その方が宜しいんちゃいます?まだここにいてはるのなら、嫁があなたが亡くなった記念に作ったキャンドルなど燃やされても胸糞悪いんちゃいますか?あの世に行った後なら知ったこっちゃないでしょ?
どないですやろ?良い案あったら夢でどうぞ・・と言っておいた。
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