さて月曜日はイジメを考える日という事で、毎年この日は右左色柄の違う靴下を履いて登校するというのが毎年の恒例となっている。
子供達は学校でイジメに関する事を考えたり学んだりする日である。
人と同じでなくて良い、人と違って良いという事、その違いに対し見下したり嫌悪するのは間違っているという事、またもしも自分や友達が人から傷付けられたりしている事に気づいたり見たりした時は、こうしましょうという様な内容を毎年習う。

夕方、キッチンのテーブルで宿題をしていた娘に、私はイカのハラワタ処理をしながら「今日どうやった?」と聞いた。
娘は「去年と一緒。毎年一緒の事言われるだけやで」と答えた。
しかしながら娘が「そうや・・Oちゃんが私に今クラスメイトからイジメに遭ってると打ち明けて来た。だから誰から?と聞いたけど、それは答えたくないと言われた」と私に話してくれた。

娘は「また誰からイジメを受けてるんか聞くわ」と言ったので、私は「言いたくないと言うてるなら本人から言いたいと思うまで聞かんほうがエエで。話したくなったら、また話さないといけないと思ったら本人から言ってくれるはずやから、それまで待っとき。ただOには、私はいつも傍にいるから、何かあったら話してねとだけ言うといたらええと思うで」と言っておいた。
娘も「そうやな・・」と言いながらも、私はピンと来ていた。
娘のクラスの問題女子ではないかと想定された。
長らくこのブログを読んでおられる方ならピンと来られたと思うが、そう、その女子である。
娘も小2まではこの女子に困らされていたが、今もクラスメイトの女子内で起き
る仲間外れ問題には必ずこの女子が絡んでいるややこしい子である。
娘は宿題のノートを閉じながら「まあ聞かんでも検討は付くけど」と言った。
また娘は「運動場の端でOちゃんからそれを打ち明けられたときな、ちょっと離れた場所にG(問題女子)がおってん。せやから私はGからイジメられてんの?と聞こうかと思った。せやけどGは常に人の口の動きまで読んでる時があって、後からさっき私の事言うてたやろ?って迫って来る時があるから、あえて名は出さなかった」と言いながら2階に上がって行った。
イカを輪切りにしながら、私は娘が成長したなと感じた。
母ちゃん・・涙出てまうわ・・

9月から新学期が始まり、娘はイングランドでいうところの5年生になった。
その9月から、ずーっとGちゃんがOちゃんを目の敵にしている事はクラスメイトの誰もが知っている。
娘のクラスは18人しか生徒がおらず、そのうち女子が9人なので、女子が皆で遊ぶことが多い。であるから、GのOに対する言葉のキツさは前々から娘から聞いていた。

夕飯を終え、娘がテーブルを一緒に片付けてくれていた際、私は「お母さんの職場にな、去年までアニメおたくな女の子がいてん。日本のアニメが大好きで、日頃から手縫いしたアニメキャラの服を着て通勤している子やった。バイトの子達はこの子を避けていた。だって23歳やのに、この恰好で?というのもあったと思うねんけど、皆がしていない格好やから、そら目立つわな。せやけど仕事は真面目やし心の本当に優しい子でお母さんは好きやった。クリスマスパーティの時だってこの子の横の席だけポツンと空いていたりしてね・・あからさまやったから本人も居心地が悪かったと思う。でも3年頑張ってくれて辞めた」と話した。
「つまり、人と見た目が違ったり、趣味が違ったりするとそういう事が起きる。でも嫌われるに値する事しましたか?といったらしていない。誰よりも真面目に働いていた。どうして嫌っていた子たちはそこを尊敬しない?とお母さんは腹が立っていたんよ」と話した。
娘は頷きながら「ほんまやね。でも思い当たる子がいてるわ、うちのクラスの子にも」と言ったが、私もそれ以上は聞かなかった。

随分前になるが、アメリカとドイツで児童心理を勉強されたという日本の児童心理学者の方が書かれた本を読んだことがある。
子供の心理、親の関係性が非常によく書かれた本で私は何度も何度も繰り返し読んでいるのでるが、その中に「欧米ではイジメは存在しない」と書かれてあった。
それを読んだ際「あるで」と思った。
確かに、日本ほどイジメを苦にした子供達の自殺は数でいうと圧倒的に少ないが、イジメはある。

私が小学生のころなど、女子間の「ある日学校に行ったら何の理由も無しに突然一斉無視攻撃」など週替わりで起きていた。
そこには必ず中心格となる女子がいて、「今日からあいつを無視」と指示を出していた。
娘から「Gが今日からあの子と遊んだらアカン」という指示を出して来た事は過去に何度もあったけど、そんなアホらしい事には参加せんという主義を貫いて来た娘にはもう聞いてこなくなったという。
しかし、はやり幼稚園から同じ女子が誰かを悩ませている事はやはり問題であり、これからも距離を取りながら観察せねばと思うのである。
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